コミュニケーションのためのムーブメント シェルボーンの発達のためのムーブメントの展開
内容紹介
さまざまな援助を必要とする子どもを支援する実践書
特別支援教育が急速に形づくられていく1960年代終盤から1970年代にかけて,ベロニカ・シェルボーンは子どもの発達支援教育に偉大な影響を及ぼしました。彼女の発達のためのムーブメント(SDM)は,特別支援学校で,多くの教師に,以前には見られなかった子どもたちと向かい合うことを可能にし,これらの子どもたちへの効果を保証しました。彼女のユニークなアプローチは,コミュニケーション,相互作用の促進,身体活動を刺激し,人間関係を発達させました。
著者シンディ・ヒルは,このシェルボーンの理論と哲学そして,SDMの実践的アプローチを本書で明確にしています。SDMとは,情動障害のある子どもや不安のある子どもが,彼らの問題に閉じ込められている状態から,他者との相互的作用とコミュニケーションが約束される状態になることを支援することです。これが,SDMの力です。
シンディ・ヒルは,多くの他のカリキュラム分野では真似のできない,または達成できない方法で,特別支援教育を必要とする子どもの全人的ニーズに適応できるSDMの力を,情熱と確信を持って書いています。第4章から第6章の豊富な観察の資料と付記の記録用紙は,さまざまな状況にある実践者にとって,とても有用になるでしょう。
本書は,教師,クラスの補助教員,心理士,訓練士,社会福祉士,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,そしてさまざまな援助を必要とする人びとを支援する活動をしている領域のすべての人びとに読んでほしい一冊です。
目次
第1章 ベロニカ シェルボーン:伝記とラバンの影響
第2章 理論の展開:シェルボーンの発達のためのムーブメントの根底にある哲学的,理論的側面
第3章 心理的,教育的,社会的なかかわり
第2部 理論から実践へ
第4章 シェルボーンの発達のためのムーブメントにおける実践的側面
第5章 地域や訓練におけるシェルボーンの発達のためのムーブメント
第6章 教育におけるシェルボーンの発達のためのムーブメント
第3部 質問,提案,課題
第7章 よくある質問に対する答えと提案
第8章 発達のためのシェルボーン・ムーブメント/科学的検証
第9章 研究プロジェクト:近況と進捗状況
第10章 まとめ
付記
【著】シンディ・ヒル
【訳者】関口美佐子・平井真由美・衣本真理子・瀧澤 聡