内容紹介
新人研修医の必修常識と行動指針をまとめた臨床研修のガイドブック
「医療面接」「身体診察」「検査」「診断」「治療」「臨床医」「医療者」「社会人」の8領域それぞれにおいて、身につけるべきスーパールールと、32の症例に即して抽出された臨床研修の具体的な諸ルールから成る。卒後医師研修必修化に伴い、全国の教育病院にぜひ常備したい、研修医と研修指導者必携の一冊。
目次
第1章 スーパールール集
第2章 臨床研修のルール
症例1 若年成人の検査値の異常は一元的に解釈せよ
症例2 新患を診察するときは今までの情報はリセット
症例3 診断、治療に苦慮したときは患者を入念に診察せよ
症例4 糖尿病患者の不定愁訴に要注意
症例5 脳血管障害患者の発熱-肺炎、尿路感染、ライン感染を疑え
症例6 一つの疾患の影にもう一つの疾患が隠れている
症例7 疾患に特異的な身体所見を見逃すな
症例8 重症化を予測して対処せよ
症例9 身体所見から「これは危ない!」と感じ取れ
症例10 日常業務に押し流されるな ときには立ち止まって考えよ
症例11 貧血に対して安易に輸血するな まず原因を検索せよ
症例12 担当患者はあなたの患者ではない。病院の患者である
症例13 患者さんの痛みに共感しよう
症例14 基本的な疾患の診断、治療のポイントを外すな
症例15 Oncologic emergencyを見逃すな
症例16 問題リスト作成時に症例の本質を掴め
症例17 敗血症性ショック 数時間の治療の遅れが致命傷
症例18 臨床は教科書通りにはいかない
症例19 癌性疼痛をコントロールせよ
症例20 問診は繰り返せ
症例21 抗生剤が効かない理由を考えよ
症例22 薬剤性の血小板減少症、肝障害を見逃すな
症例23 意識障害をみたらAIUEO TIPS
症例24 脳硬塞のタイプを見極めよ
症例25 胸痛は不安定狭心症・心筋梗塞、大動脈解離、肺梗塞の除外から
症例26 甲状態線疾患の診断は疑うことから始まる
症例27 バイタルサインの異常は緊急事態
症例28 既往歴よりもまず現状を認識せよ
症例29 最悪の事態を予測し楽観的に当たれ
症例30 疾患の仮説が間違っていると思ったら最初から考え直せ
症例31 腎不全の緊急病態は、高カリウム血症、代謝性アシドーシス、心不全
症例32 糖尿病の合併症は重症でしかも非典型的
資料 研修医の本棚
第2章 臨床研修のルール
症例1 若年成人の検査値の異常は一元的に解釈せよ
症例2 新患を診察するときは今までの情報はリセット
症例3 診断、治療に苦慮したときは患者を入念に診察せよ
症例4 糖尿病患者の不定愁訴に要注意
症例5 脳血管障害患者の発熱-肺炎、尿路感染、ライン感染を疑え
症例6 一つの疾患の影にもう一つの疾患が隠れている
症例7 疾患に特異的な身体所見を見逃すな
症例8 重症化を予測して対処せよ
症例9 身体所見から「これは危ない!」と感じ取れ
症例10 日常業務に押し流されるな ときには立ち止まって考えよ
症例11 貧血に対して安易に輸血するな まず原因を検索せよ
症例12 担当患者はあなたの患者ではない。病院の患者である
症例13 患者さんの痛みに共感しよう
症例14 基本的な疾患の診断、治療のポイントを外すな
症例15 Oncologic emergencyを見逃すな
症例16 問題リスト作成時に症例の本質を掴め
症例17 敗血症性ショック 数時間の治療の遅れが致命傷
症例18 臨床は教科書通りにはいかない
症例19 癌性疼痛をコントロールせよ
症例20 問診は繰り返せ
症例21 抗生剤が効かない理由を考えよ
症例22 薬剤性の血小板減少症、肝障害を見逃すな
症例23 意識障害をみたらAIUEO TIPS
症例24 脳硬塞のタイプを見極めよ
症例25 胸痛は不安定狭心症・心筋梗塞、大動脈解離、肺梗塞の除外から
症例26 甲状態線疾患の診断は疑うことから始まる
症例27 バイタルサインの異常は緊急事態
症例28 既往歴よりもまず現状を認識せよ
症例29 最悪の事態を予測し楽観的に当たれ
症例30 疾患の仮説が間違っていると思ったら最初から考え直せ
症例31 腎不全の緊急病態は、高カリウム血症、代謝性アシドーシス、心不全
症例32 糖尿病の合併症は重症でしかも非典型的
資料 研修医の本棚
書評
大生定義(横浜市立市民病院・神経内科)
このたび三輪書店から、聖路加国際病院内科医長 岡田定先生編集による「臨床研修ルールブック」が刊行された。来年度からの臨床研修必修化を控えたこの時期に、まさにタイムリーな企画であり、新人研修医や臨床実習(クリニカルクラークシップ)に臨む医学生に対し、知的なあるいは精神的支援を与えるすばらしい贈り物といえよう。本書は、序文にあるようにわが国の臨床研修病院の草分け的存在である聖路加国際病院に蓄積されたクリニカルルール・スーパールールを、抽出しようと試みた成果である。岡田先生は、聖路加国際病院の臨床の実際をもとに、「内科オールラウンドプラクティス」「知ってるつもりの内科レジデントの常識・非常識」も中心になって刊行され、いわば3部作の1つであるとも言える。現場に実際に生きているルールという趣旨で、内科のチーフレジデントを修了したばかりの3先生が症例をもとに書き上げたものを、岡田先生が大変わかりやすく加筆、監修されている。研修開始間もない、研修医1年目を一番に意識した内容としたとのことであるが、指導医の先生にもヒントになることも非常に多いと考える。先輩から口伝えで伝承される、成書にはあまり書かれていなかったコツや診療の進め方のノウハウが明瞭に言語化されている。「病気の原因は患者さんに聞け。」「若年成人の異常は一元的に」「入院した日からリハビリを」など、聖路加国際病院で研修し、その後指導医としても在籍した私にとっては、現在の病院で私が時々口にするフレーズとも一致するものも多く、本当になつかしく、医師のしての原点を眺めるような気がする。
実例に沿って繰り返し、繰り返し述べられるルールは、聖路加国際病院のレジデントルーム、スタッフルーム、グランドカンファランスなどでレジデントが聞かされる、「聖路加の耳学問」の大切な部分である。「研修に対する情熱がレジデントの命」「新人でも医師は医師。責任は重大。」「悲観的すぎる患者さんには楽観的に、楽観的すぎる患者さんには悲観的に。」など読みようによっては誤解を受けそうなフレーズも随所にあるが、これも著者の勇気を示すものであろう。私には、大変心地よく感じる。
読んでいて、新人研修医もクラークシップの医学生もそして指導医も臨床研修の原点を認識あるいは再認識させられ、大変元気がでる本である。是非、ご一読を心よりお勧めする。
『レジデントノート』5巻11月号,p137(2003)
このたび三輪書店から、聖路加国際病院内科医長 岡田定先生編集による「臨床研修ルールブック」が刊行された。来年度からの臨床研修必修化を控えたこの時期に、まさにタイムリーな企画であり、新人研修医や臨床実習(クリニカルクラークシップ)に臨む医学生に対し、知的なあるいは精神的支援を与えるすばらしい贈り物といえよう。本書は、序文にあるようにわが国の臨床研修病院の草分け的存在である聖路加国際病院に蓄積されたクリニカルルール・スーパールールを、抽出しようと試みた成果である。岡田先生は、聖路加国際病院の臨床の実際をもとに、「内科オールラウンドプラクティス」「知ってるつもりの内科レジデントの常識・非常識」も中心になって刊行され、いわば3部作の1つであるとも言える。現場に実際に生きているルールという趣旨で、内科のチーフレジデントを修了したばかりの3先生が症例をもとに書き上げたものを、岡田先生が大変わかりやすく加筆、監修されている。研修開始間もない、研修医1年目を一番に意識した内容としたとのことであるが、指導医の先生にもヒントになることも非常に多いと考える。先輩から口伝えで伝承される、成書にはあまり書かれていなかったコツや診療の進め方のノウハウが明瞭に言語化されている。「病気の原因は患者さんに聞け。」「若年成人の異常は一元的に」「入院した日からリハビリを」など、聖路加国際病院で研修し、その後指導医としても在籍した私にとっては、現在の病院で私が時々口にするフレーズとも一致するものも多く、本当になつかしく、医師のしての原点を眺めるような気がする。
実例に沿って繰り返し、繰り返し述べられるルールは、聖路加国際病院のレジデントルーム、スタッフルーム、グランドカンファランスなどでレジデントが聞かされる、「聖路加の耳学問」の大切な部分である。「研修に対する情熱がレジデントの命」「新人でも医師は医師。責任は重大。」「悲観的すぎる患者さんには楽観的に、楽観的すぎる患者さんには悲観的に。」など読みようによっては誤解を受けそうなフレーズも随所にあるが、これも著者の勇気を示すものであろう。私には、大変心地よく感じる。
読んでいて、新人研修医もクラークシップの医学生もそして指導医も臨床研修の原点を認識あるいは再認識させられ、大変元気がでる本である。是非、ご一読を心よりお勧めする。
『レジデントノート』5巻11月号,p137(2003)
【編著】
岡田 定(聖路加国際病院内科医長)
平澤俊明(君津中央病院消化器内科)
狩野光伸(東京大学医学部分子病理学講座)
内山 伸(聖路加国際病院内科)