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第19回勇気ある経営大賞

高齢者のシーティング 【第2版】

電子版あり

定価:3,630円(本体3,300円+税)

商品コード: ISBN978-4-89590-466-7

B5 / 178頁 / 2014年
【著】 廣瀬秀行、木之瀬隆
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内容紹介

シーティングに関する新たなEBMや、国際標準の知識体系を加え大幅改訂

高齢者ケアの中で、どこまで車いすに対して正しい理解がされているだろうか。
近年、廃用症候群の予防とADL・QOLの維持・向上のために離床が促され、高齢者は日常生活の大半を車いす上で過ごすことが多くなってきている。しかし一般の車いすは、利用者の身体寸法や座位姿勢・状態に合わせて調整することは難しく、長時間座るための「椅子」としての機能が低いのが現状である。このことにより、逆にADLに制限をきたしたり、褥瘡や変形といった二次障害発生のリスクが生じる。

本書は、運動学、力学などのバイオメカニクス、褥瘡、身体拘束、マット評価など必要な知識が網羅されており、高齢者、障害者、小児と幅広い対象者に、また急性期・回復期・生活期を問わず活用できる「シーティングの基礎」となる一冊である。

目次

第Ⅰ章 なぜシーティングなのか
 1.はじめに
 2.なぜシーティングか
   車椅子の作り方/シーティングの適応/座位時間/重力と座位姿勢/進行性/レストとサポート
 3.アシスティブ・テクノロジーとシーティングの関係

第Ⅱ章 座位姿勢の基礎
 1.解剖学の基礎と座位の運動学
   姿勢(posture)とは/基本肢位/骨格と姿勢/座位に関係する関節と筋
 2.バイオメカニクスの基礎
   力とは/反力と摩擦力/圧力/3点支持/非剛体支持/せん断応力と歪み/モーメント/力の伝達/リクライニングの回転中心/慣性
 3.座るということの生理学的意味
   摂食・嚥下と座位姿勢/呼吸/消化/循環/他の報告
 4.高齢者の移乗方法
   移乗方法の考え方/移乗方法の選択/安全な移乗の効果
 5.車椅子の走行
   車椅子の基礎/駆動方法/屋外移動介助/電動車椅子
 6.上肢活動
   体幹の安定性/作業効率/高齢者での最適な高さの設定/ギャッチベッドとの比較

第Ⅲ章 車椅子の問題点
 1.座り心地
 2.動作と車椅子走行への影響
 3.姿勢
   仙骨座り/骨盤の傾斜
 4.高齢者の身体寸法および角度と車椅子の問題
   高齢者の身体寸法/車椅子の寸法値/車椅子の角度
 5. リクライニング車椅子
 6.車椅子上での身体拘束
   経過/現状/欧米での身体拘束の状況/まとめ

第Ⅳ章 高齢者のシーティングの評価
 1.シーティングの目的
   安楽性/機能性/生理的/移動能力/実用性/外観/介護
 2.評価の基本
   一般情報/さまざまな座位能力分類/Hofferの座位能力分類/姿勢を含む関節可動域や変形の分類
 3.マット評価
   特徴/評価環境/マット上臥位での評価/基本寸法角度の計測/座位での評価/車椅子座位姿勢と寸法のチェックアウト
 4.座位姿勢とその計測
   指標となる椅子座位姿勢/姿勢の定量的表現/ISOの導入/各種測定器
 5.褥瘡の基礎と評価
   皮膚の解剖と生理/褥瘡と力/接触圧測定/褥瘡の重症度スケール/全身的リスク/車椅子上での褥瘡リスク

第Ⅴ章 車椅子・クッション・座位保持装置
 1. 車椅子について
   車椅子の分類/駆動部/フレーム/車輪/性能/車椅子管理/代表的車椅子の操作
 2.ティルトとリクライニング
   定義/リクライニング/ティルト
 3.車椅子クッション
   クッションの分類/クッションの性能
 4. クッションの選択
   要素/選択の手順/他の基準
 5.体位変換
   体位変換/除圧間隔と時間
 6. 座位保持装置
   支持部/継手/ポイント/座背支持部/頭部・頸部支持/前腕支持/下腿支持と膝継手/足部支持と継手/体幹側方支持/体幹前方支持/胸・腹・腰部支持/骨盤前方支持

第Ⅵ章 シーティングの症例
 1.端座位可能で車椅子寸法の不適合により仙骨座りになるケース
   経過/対応と結果/課題
 2.座位能力に問題あり,車椅子の自走が難しくなったケース
   経過/対応と結果
 3.座位不能のケースにティルト・リクライニング機能付モジュラー車椅子を選択し車椅子抑制パイプが外れたケース
   経過/対応と結果
 4.急性期の褥瘡治療ケース
   経過/対応と結果
 5.自宅復帰までの症例
   経過/対応と結果
 6.椅子を考えることで生活に変化がみられた片麻痺の認知症のケース
   経過/対応と結果
 7.高齢頸髄損傷者
   経過/対応と結果

第Ⅶ章 高齢者のシーティングの実際
 1.ICFのリハビリテーションとシーティング
 2.適合
   安全性/個人への適合/社会への適合
 3.時期別,脳卒中に対するシーティング
   急性期/回復期/維持期/ターミナル期/脳卒中片麻痺のシーティング
 4.工具の使い方と機器の管理
   工具の使い方/機器の管理/施設側の心構え/専門職間の連携と専門性

索引