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第19回勇気ある経営大賞

小児眼科学

正誤表 電子版あり

定価:26,400円(本体24,000円+税)

商品コード: ISBN978-4-89590-526-8

B5 / 570頁 / 2015年
【編集】東 範行 (国立成育医療研究センター)

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内容紹介

現在のわが国における必須知識を網羅した“小児眼科の教科書”

本書は、小児眼科学領域における標準的な教科書を目指し、小児眼科の基礎および最新の臨床に沿った網羅的な内容とすべく企画した。単に外国の教科書を模倣するのではなく、各章で総論を設けて成人と異なる小児の特徴を詳しく解説することに力を入れた。その次に、疾患の各論を述べる構成になっている。また、学校保健や法的問題など、わが国における特徴の章も設けた。若手眼科医、眼科開業医、視能訓練士など広い範囲の読者の方々にも理解しやすいように図を多く掲載し、平易な表現で、現在のわが国における小児眼科の必須知識を網羅できていると思っている。(序文より)

【本書の特長】
・小児眼科の病態・診療について、成人とは異なるところ、小児だからこそ重要なことを随所に盛り込んだ内容
・画像1,080点、イラスト120点、表90点を超えるデータで、専門施設で研修するかのような広い知識と診療技術が学べる
・最新の検査法や診断技術・手術の進歩、遺伝性疾患などの基礎研究の発展をふまえて、診断、治療、経過観察の考え方がわかる
・年齢、発達の違いによって困難な小児の検査をうまく行うためのベテランのコツを伝授
・わが国における小児眼科診療に必須の「学校保健」「健診」「各種手続き」「法的問題」も充実

目次

1章 小児の診療の特徴・・・林 孝雄、寺﨑浩子、林 思音、臼井千惠
2章 視機能の発達と検査・・・遠藤高生、不二門尚、長谷部聡、小林昭子、村木早苗、彦谷明子、佐藤美保、横山 連
3章 眼の構造と機能の検査・・・羅 錦營、横井 匡、西田保裕、近藤峰生、根岸貴志
4章 疾患の早期発見のために・・・森 隆史、四宮加容、田中三知子
5章 眼の発生・・・東 範行
6章 屈折異常と眼鏡・コンタクトレンズの管理・・・内海 隆、藤巻拓郎
7章 弱視・・・杉山能子
8章 斜視・・・仁科幸子、矢ヶ﨑悌司、佐藤美保
9章 外眼部疾患・・・野村耕治
10章 前眼部疾患・・・外園千恵、横井桂子、永田真帆、中村 葉、東原尚代、上田真由美
11章 白内障・水晶体疾患・・・黒坂大次郎
12章 緑内障・・・木内良明、竹中丈二、原田陽介、吉川知子、中倉俊祐、清水有紀子、奥道秀明、杉本洋輔、柳 昌秀、小林 賢
13章 眼底疾患・・・東 範行、寺﨑浩子、日下俊次、近藤寛之
14章 ぶどう膜炎・・・後藤 浩、鈴木 潤
15章 神経眼科疾患・・・木村亜紀子
16章 眼内腫瘍・・・鈴木茂伸
17章 眼窩疾患・・・野崎真世、野田実香、鈴木茂伸
18章 涙器疾患・・・松村 望、新田安紀芳
19章 外傷・・・林 英之
20章 虐待・・・中山百合
21章 心因性視覚障害・・・東山智明
22章 全身病と治療における全身管理・・・福嶋葉子、初川嘉一、伊東祐之、塚本桂子、伊藤裕司
23章 染色体異常、遺伝性疾患と遺伝相談・・・堀田喜裕
24章 ロービジョンケアとリハビリテーション・・・田淵昭雄
25章 発達障害・重複障害・・・富田 香
26章 学校保健・・・福下公子
27章 健診・・・八子恵子
28章 色覚異常・・・村木早苗
29章 小眼球、無眼球と義眼の管理・・・仁科幸子
30章 身体障害者・小児慢性疾患などの手続き・・・野田英一郎
31章 法規・法的問題・・・白井正一郎

書評

疾患のみならず,小児の診察・周術期の管理法から学校保健,健診といった行政関連に至るまでを網羅
評者:山下英俊(山形大学眼科) 

 先日の日本臨床眼科学会でのこと.会場から会場への移動の際,特設の書店に目をやると,印象的な子どもの顔が目に飛び込んできた.先行発売本の紹介だったのだが,白い上品な表紙に「小児眼科学」と書かれていた.眼科学は,小児から高齢者までのすべての年齢の視覚障害を対象として診療を行う基本診療科である.眼科専門医になるためには,このすべての分野の標準的な診療について学ばねばならない.なかでも小児眼科は,診察の技術の習得がむずかしく,また多くの種類の疾患があるため専門医を志向する若い眼科医にとっては取っ付きにくさもある分野である.
 『小児眼科学』は,国立成育医療研究センターの東 範行先生が渾身の力をこめてまとめられた本で,現在小児眼科のリーダー的な先生からこれから活躍が期待できる若手の先生まで,多くの医師が執筆に携わっている.いわば,日本の小児眼科医が総力を結集して作り上げたと言っても過言ではない.500 ページを超える本の厚さからもその思いが伝わってくる.
 内容は,小児眼科の基礎から最新の治療まで詳細に書かれている.さらに疾患のみならず,小児の診察・周術期の管理法から学校保健,健診といった行政関連に至るまで網羅されている.広画角眼底カメラであるRetCam®やOCT(optical coherence tomography)といった最新の診断システムが充実したこともあり,これまでの本と比べものにならないほど多くの眼底写真が掲載されている.小児疾患は希少なものが多いが,なかなかお目にかかれないような眼底も見ることができる.診察さえも非協力的な小児を相手に,これほどまで症例を集められた東先生をはじめ執筆を担当された小児眼科専門の先生に敬意を表したい.
 これから小児眼科を学ぶ若い医師にとっては,典型的な症例をきちんと学ぶことが大変重要である.そのためにもこのように多くの臨床所見に接することのできる本書は大きな助けとなると考える.専門医の資格を取得した市中病院の医長や医員として頑張っている医師にとっては,小児の診察法を学ぼうと願ってもなかなかできないのではないだろうか.小児を診る機会が少ないと,どのようにアプローチしたら良いかとまどってしまう.あるいは,小児の眼について学ぼうと思っても,学ぶ機会が少ない.この本は小児の眼を診るときのバイブルとなる1 冊である.1 冊診察室に置いておけば,子どもが来たときも安心して診察することができそうだ.
 日本は未曾有の超高齢社会になり,医療の現場でのmajority は高齢者となった.眼科においても,一般診療では白内障や緑内障,糖尿病網膜症,加齢黄斑変性など加齢性の眼疾患患者数が多く,これらの分野における我が国の臨床研究の発展は目覚ましい.しかしながら,これからの日本の将来を支える子どもたちの視力を守りつつ正常な発達を支える小児眼科にも,われわれは多くの労力を割くべきなのではないだろうか.
 本書はこれからの小児眼科を学ぶ医師,日常診療で小児眼科診療を担当する医師,そして,もちろん小児眼科を中心に眼科診療を行うベテラン医師,いずれにとっても大変大切な教科書になると確信している.

「あたらしい眼科」Vol.33 No.01(2016年01月号) (メディカル葵出版)より転載

編集

東 範行 国立成育医療研究センター 病院 眼科医長 / 研究所 視覚科学研究室長

執筆者一覧(掲載順)

林 孝雄 帝京大学医療技術学部 視能矯正学科 教授
寺﨑浩子 名古屋大学医学部 眼科学教室 教授
林 思音 山形大学医学部 眼科学教室
臼井千惠 帝京大学医学部附属病院 眼科 視能訓練士 技師長
遠藤高生 大阪大学医学部 眼科学教室
不二門尚 大阪大学医学部 感覚機能形成学教室 教授
長谷部聡 川崎医科大学 眼科学2教室 教授
小林昭子 東京医科大学病院 眼科 視能訓練士 主査
村木早苗 滋賀医科大学 眼科学講座 講師
彦谷明子 浜松医科大学医学部附属病院 眼科 講師
佐藤美保 浜松医科大学眼科学講座 病院教授
横山 連 大阪市立総合医療センター 小児眼科 部長
羅 錦營 ら(羅)眼科 院長
横井 匡 国立成育医療研究センター 眼科
西田保裕 滋賀医科大学 医師臨床教育センター センター長
近藤峰生 三重大学医学部 眼科学 教授
根岸貴志 順天堂大学医学部 眼科学教室 准教授
森 隆史 福島医科大学医学部 眼科学講座 講師
四宮加容 徳島大学 眼科学分野 講師
田中三知子 岩手医科大学医学部 眼科学講座 助教
東 範行 国立成育医療研究センター 病院 眼科医長 / 研究所 視覚科学研究室長
内海 隆 内海眼科医院 院長
藤巻拓郎 順天堂大学医学部 眼科学教室 准教授
杉山能子 金沢大学 眼科
仁科幸子 国立成育医療研究センター 眼科
矢ヶ﨑悌司 眼科やがさき医院 院長
野村耕治 兵庫県立こども病院 眼科 部長
外園千恵 京都府立医科大学 眼科学教室 講師
横井桂子 京都府立医科大学 眼科学教室
永田真帆 京都府立医科大学 眼科学教室
中村 葉 京都府立医科大学 眼科学教室 客員講師 / 大阪人間科学大学 医療福祉学科(視能訓練専攻)特任教授
東原尚代 ひがしはら内科眼科クリニック 副院長
上田真由美 京都府立医科大学 感覚器未来医療学 特任准教授
黒坂大次郎 岩手医科大学医学部 眼科講座 教授
木内良明 広島大学大学院 視覚病態学 教授
竹中丈二 広島大学病院 眼科病院 助教
原田陽介 広島大学大学院 視覚病態学
吉川知子 広島大学病院 眼科 講師
中倉俊祐 ツカザキ病院 眼科 部長
清水有紀子 ツカザキ病院 眼科 医長
奥道秀明 広島大学大学院 視覚病態学
杉本洋輔 広島大学大学院 視覚病態学 特任助教
柳 昌秀 広島大学病院 眼科
小林 賢 広島大学病院 眼科
日下俊次 近畿大学医学部堺病院 眼科 教授
近藤寛之 産業医科大学 眼科学教室 教授
後藤 浩 東京医科大学 眼科学講座 主任教授
鈴木 潤 戸田中央総合病院 眼科 部長
木村亜紀子 兵庫医科大学 眼科 准教授
鈴木茂伸 国立がん研究センター中央病院 眼腫瘍科 科長
野崎真世 北海道大学医学部 眼科学分野
野田実香 慶應義塾大学医学部 眼科学教室 講師
松村 望 神奈川県立こども医療センター 眼科 顧問
新田安紀芳 新田眼科 院長
林 英之 福岡大学医学部 眼科学教室 教授
中山百合 砧ゆり眼科医院 院長
東山智明 滋賀医科大学 眼科学講座 助教
福嶋葉子 大阪大学医学部 眼科学教室 助教
初川嘉一 大阪府立母子保健総合医療センター 眼科 主任部長
伊東祐之 国立成育医療研究センター 麻酔科
塚本桂子 国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター 新生児科
伊藤裕司 国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター 新生児科 医長
堀田喜裕 浜松医科大学 眼科学講座 教授
田淵昭雄 川崎医療福祉大学医療技術学部 感覚矯正学科 客員教授
富田 香 平和眼科 院長
福下公子 烏山眼科医院 院長
八子恵子 北福島医療センター
野田英一郎 東京都立小児総合医療センター 眼科 医長
白井正一郎 豊橋市民病院眼科 医療安全管理室 顧問