明解 スポーツ理学療法-図と動画で学ぶ基礎と実践
電子版あり
定価:6,380円(本体5,800円+税)
商品コード: ISBN978-4-89590-710-1
内容紹介
理学療法士が知っておきたいスポーツ損傷の
「基本的な知識」+「技術の習得」がこの一冊で身につく!
本書は、スポーツに関わる理学療法士が知っておきたい知識や技術を、効率的に学べるように簡潔明瞭にまとめている。構成は総論・各論の2つに分け、総論にあたる〔Ⅰ〕ではスポーツ医学や理学療法の基礎的な知識を解説した。〔Ⅱ〕では、理学療法士が対応する機会の多いスポーツ損傷ごとに章を分け、スポーツ損傷の病態や発生原因, 理学療法アプローチを提示した。
執筆は、スポーツ損傷の理学療法に豊富な経験を持つ理学療法士が担当。多くの写真や動画を使用し、初学者にも理解しやすくなっている。本書はスポーツに関わる理学療法士はもちろんのこと、理学療法士・アスレティックトレーナー養成校の学生が学ぶ教科書として最適であり、また、これからスポーツに関わる仕事をめざす人にとっても、大いに役立つ内容となっている。
目次
目 次
Ⅰ スポーツ損傷と理学療法の関わり
1 スポーツ医学と理学療法・・・小柳磨毅・杉山恭二
1.スポーツと理学療法
2.わが国におけるスポーツと理学療法
1.歴 史
2.組 織
3.教 育
4.研 究
5.課題と展望
3.予防の取り組み
1.スポーツ損傷の予防モデル
2.前十字靱帯(ACL)損傷の予防
3.投球障害の予防
4.競技大会の支援活動
5.縦断的な支援活動(クラブ活動の支援事業)
6.スポーツ現場での救急対応
2 理学療法の原則・・・小柳磨毅・杉山恭二・中江徳彦
1.スポーツ損傷と理学療法の原則
1.損傷組織の治癒能力
2.力学的負荷
3.発生機序と要因
4.評価と治療
5.評価の原則
6.理学療法の原則
2.評価と運動療法
1.関節機能
2.神経筋機能
3.協調性/姿勢制御機能
3.物理療法機器と補装具
1.物理療法機器
2.補装具・テーピング
Ⅱ スポーツ損傷に対する理学療法の実際
1 肩関節脱臼・・・井上泰博
病態・受傷機転
1.不安定肩
2.反復性肩関節前方脱臼の病態
診断・治療
1.画像評価
2.整形外科的徒手検査
3.手術療法
理学療法アプローチ
1.理学療法プロトコール(鏡視下Bankart修復術)
2 腱板損傷・・・福田明雄・田中正栄
病態・受傷機転
診断・治療
1.drop arm test
2.external rotation lag test
3.棘上筋テスト(SSP test)
4.棘下筋テスト(ISP test)
5.肩甲下筋テスト
6.疼 痛
理学療法評価
1.病歴聴取
2.姿勢・アライメント・筋萎縮などの観察
3.可動性
理学療法アプローチ
1.保存療法のスケジュール
2.鏡視下腱板修復術後の理学療法
3 投球障害肩・肘・・・元脇周也 ・来田 晃幸・境 隆弘
[1 バイオメカニクス]
1.投球位相
2.運動連鎖
[2 投球障害肩]
病態・受傷機転
1.受傷機転
2.上腕二頭筋長頭腱炎,上方関節唇(SLAP)損傷
3.internal impingement症候群,腱板疎部損傷,
肩峰下インピンジメント症候群(external impingement症候群)
4.Bennett病変
5.リトルリーグ肩
6.神経障害(胸郭出口症候群)
診 断
1.筋機能評価
2.stress test
3.整形外科的徒手検査
理学療法評価・アプローチ
1.関節可動域
2.ストレッチング
3.トレーニング
[3 投球障害肘]
病態・受傷機転
1.内側型・外側型投球障害肘(野球肘)
2.超音波画像
3.関節鏡所見
4.後方型投球障害肘(野球肘)
5.尺骨神経障害
診 断
1.圧 痛
2.外反stress test
3.milking test
4.過伸展テスト(extension overload test)
5.Tinel sign
6.機能的肘屈曲試験(functional elbow flexion test)
7.尺骨神経の支配筋と知覚支配領域
理学療法評価・アプローチ
1.肘屈曲・伸展制限
2.柔軟性の改善
3.筋力強化
[4 投球フォームへのアプローチ]
1.スローイングランジドリル
4 テニス肘・ゴルフ肘・・・境 隆弘
病態・受傷機転
1.発症部位
診 断
1.テニス肘の検査法
2.ゴルフ肘の検査法
理学療法アプローチ
1.物理療法
2.装具療法
3.ストレッチング
4.筋力強化
5.患部外トレーニング
6.フォームチェックとトレーニング
7.競技環境の調整
5 前十字靱帯(ACL)損傷・・・小柳磨毅・成 俊弼
病態・受傷機転
1.膝前十字靱帯(ACL)解剖と機能
2.ACL損傷の受傷機転
3.ACL損傷の徴候と自然治癒
診断・治療
1.画 像
2.治 療
理学療法アプローチ
1.リハビリテーションプログラム
2.整形外科的徒手検査
3.柔軟性の獲得
4.筋力強化
5.姿勢制御
スポーツトレーニング
1.pivot turn
2.着地姿勢
3.ジャンプ,シュート
6 後十字靱帯(PCL)損傷・・・境 隆弘・森下 聖
病態・受傷機転
1.後十字靱帯損傷
2.受傷機転とsagging徴候
診 断
1.MRI像
2.後方引き出しテスト
理学療法アプローチ
1.リハビリテーションの流れ
2.後十字靱帯への留意事項
3.膝屈曲関節可動域エクササイズ
4.大腿四頭筋OKCトレーニング(フロントブリッジ)
5.筋力強化(CKC)
6.装 具
7.補装具
8.テーピング
7 内側側副靱帯(MCL)損傷・・・多田周平・木村佳記・杉山恭二
病態・受傷機転
1.内側側副靱帯の解剖
2.MCL損傷の受傷機転
診断・治療
1.整形外科的徒手検査
2.MCLの治癒能力
理学療法アプローチ
1.MCLの保存療法,リハビリテーションの実際
2.柔軟性,関節可動域の回復
3.関節可動域運動
4.テーピング
8 半月板損傷・・・木村佳記・杉山恭二・多田周平
病態・受傷機転
1.半月板の機能解剖と生体力学的機能
2.受傷機転
3.半月板損傷による臨床症状
診断・治療
1.診断・整形外科的徒手検査
2.治 療
理学療法アプローチ
1.リハビリテーションプログラム
2.大腿遠位外側のモビライゼーション
3.膝屈曲可動域運動と柔軟性トレーニング
4.大腿四頭筋とハムストリングのストレッチ
5.SLRトレーニング
6.SLRで膝関節伸展lagを有する例の歩行荷重応答
7.カーフレイズ(calf raise)
8.ハーフシッティングでの前傾運動
9.座位を利用したトレーニング
10.スプリットスクワット(後脚大腿四頭筋負荷)
11.瞬発的収縮のトレーニング
12.ジャンプ着地
13.アジリティトレーニングの原則
9 膝オーバーユース・・・松尾高行・三谷保弘
[1 オーバーユースによるスポーツ障害膝]
1.概 説
2.関節外病変と関節内病変の特徴
[2 ジャンパー膝(膝蓋腱炎・大腿四頭筋腱炎)・Osgood—Schlatter 病・
Sinding—Larsen—Johansson 病]
病態・受傷機転
1.概 説
診断・治療
1.圧 痛
2.画像評価
3.治 療
理学療法評価・アプローチ
1.柔軟性
2.トレーニング:eccentric decline squat
3.補装具:バンド
[3 ランナー膝(腸脛靱帯炎)]
病態・受傷機転
1.概 説
診断・治療
1.圧 痛
2.画像評価
3.保存療法
理学療法評価・アプローチ
1.柔軟性
[4 鵞足炎]
病態・受傷機転
1.概 説
診断・治療
1.圧 痛
2.治 療
理学療法評価・アプローチ
1. 柔軟性
2.テーピング
10 足部損傷・・・三谷保弘
病態・受傷機転
1.足関節外側靱帯損傷
2.足底腱膜炎
3.アキレス腱障害
4.シンスプリント
5.Jones骨折
理学療法評価
1.関節可動域テスト・筋の長さテスト
2.筋力テスト
3.下肢アライメント
理学療法アプローチ
1.物理療法
2.ストレッチング
3.筋力トレーニング
4.動作指導,姿勢制御トレーニング, バランストレーニング
5.装 具
11 腰部障害・・・三谷保弘
病態・受傷機転
1.腰痛症
2.腰椎椎間板ヘルニア
3.腰椎分離症・分離すべり症
診断・治療
1.疼 痛
2.神経徴候
3.治 療
理学療法評価
1.姿 勢
2.関節可動域テスト
3.筋の長さテスト
4.筋力テスト
理学療法アプローチ
1.物理療法
2.腰背筋のストレッチング
3.脊柱の屈曲-伸展可動域運動
4.股関節周囲筋のストレッチング
5.体幹の筋力トレーニング
12 頸椎捻挫・バーナー症候群・・・吉田ー也・堀 寛史
[1 頸椎捻挫]
病態・受傷機転
1.発生メカニズム
診 断
1.頸椎捻挫の症状
2.頸椎捻挫の臨床分類
3.頸椎捻挫の診断
4.疼痛検査
5.神経学的検査(反射検査,感覚検査)
6.整形外科的徒手検査
[2 バーナー症候群]
病態・受傷機転
1.発生メカニズム
診 断
1.Grade分類
2.神経学的検査(反射検査,感覚検査)
3.整形外科的徒手検査
[3 頸椎捻挫・バーナー症候群]
理学療法評価・アプローチ
1.関節可動域検査
2.形態測定(周径)
3.徒手筋力テスト(MMT)
4.関節可動域運動,ストレッチング
5.筋力トレーニング
6.テーピング(キネシオロジーテーピング)
7.胸椎伸展ストレッチ
ミニ講義
内側膝蓋大腿靱帯損傷・・・杉山恭二・木村佳記・多田周平
大腿骨寛骨臼インピンジメント・・・堀 寛史
略語集
索 引
Ⅰ スポーツ損傷と理学療法の関わり
1 スポーツ医学と理学療法・・・小柳磨毅・杉山恭二
1.スポーツと理学療法
2.わが国におけるスポーツと理学療法
1.歴 史
2.組 織
3.教 育
4.研 究
5.課題と展望
3.予防の取り組み
1.スポーツ損傷の予防モデル
2.前十字靱帯(ACL)損傷の予防
3.投球障害の予防
4.競技大会の支援活動
5.縦断的な支援活動(クラブ活動の支援事業)
6.スポーツ現場での救急対応
2 理学療法の原則・・・小柳磨毅・杉山恭二・中江徳彦
1.スポーツ損傷と理学療法の原則
1.損傷組織の治癒能力
2.力学的負荷
3.発生機序と要因
4.評価と治療
5.評価の原則
6.理学療法の原則
2.評価と運動療法
1.関節機能
2.神経筋機能
3.協調性/姿勢制御機能
3.物理療法機器と補装具
1.物理療法機器
2.補装具・テーピング
Ⅱ スポーツ損傷に対する理学療法の実際
1 肩関節脱臼・・・井上泰博
病態・受傷機転
1.不安定肩
2.反復性肩関節前方脱臼の病態
診断・治療
1.画像評価
2.整形外科的徒手検査
3.手術療法
理学療法アプローチ
1.理学療法プロトコール(鏡視下Bankart修復術)
2 腱板損傷・・・福田明雄・田中正栄
病態・受傷機転
診断・治療
1.drop arm test
2.external rotation lag test
3.棘上筋テスト(SSP test)
4.棘下筋テスト(ISP test)
5.肩甲下筋テスト
6.疼 痛
理学療法評価
1.病歴聴取
2.姿勢・アライメント・筋萎縮などの観察
3.可動性
理学療法アプローチ
1.保存療法のスケジュール
2.鏡視下腱板修復術後の理学療法
3 投球障害肩・肘・・・元脇周也 ・来田 晃幸・境 隆弘
[1 バイオメカニクス]
1.投球位相
2.運動連鎖
[2 投球障害肩]
病態・受傷機転
1.受傷機転
2.上腕二頭筋長頭腱炎,上方関節唇(SLAP)損傷
3.internal impingement症候群,腱板疎部損傷,
肩峰下インピンジメント症候群(external impingement症候群)
4.Bennett病変
5.リトルリーグ肩
6.神経障害(胸郭出口症候群)
診 断
1.筋機能評価
2.stress test
3.整形外科的徒手検査
理学療法評価・アプローチ
1.関節可動域
2.ストレッチング
3.トレーニング
[3 投球障害肘]
病態・受傷機転
1.内側型・外側型投球障害肘(野球肘)
2.超音波画像
3.関節鏡所見
4.後方型投球障害肘(野球肘)
5.尺骨神経障害
診 断
1.圧 痛
2.外反stress test
3.milking test
4.過伸展テスト(extension overload test)
5.Tinel sign
6.機能的肘屈曲試験(functional elbow flexion test)
7.尺骨神経の支配筋と知覚支配領域
理学療法評価・アプローチ
1.肘屈曲・伸展制限
2.柔軟性の改善
3.筋力強化
[4 投球フォームへのアプローチ]
1.スローイングランジドリル
4 テニス肘・ゴルフ肘・・・境 隆弘
病態・受傷機転
1.発症部位
診 断
1.テニス肘の検査法
2.ゴルフ肘の検査法
理学療法アプローチ
1.物理療法
2.装具療法
3.ストレッチング
4.筋力強化
5.患部外トレーニング
6.フォームチェックとトレーニング
7.競技環境の調整
5 前十字靱帯(ACL)損傷・・・小柳磨毅・成 俊弼
病態・受傷機転
1.膝前十字靱帯(ACL)解剖と機能
2.ACL損傷の受傷機転
3.ACL損傷の徴候と自然治癒
診断・治療
1.画 像
2.治 療
理学療法アプローチ
1.リハビリテーションプログラム
2.整形外科的徒手検査
3.柔軟性の獲得
4.筋力強化
5.姿勢制御
スポーツトレーニング
1.pivot turn
2.着地姿勢
3.ジャンプ,シュート
6 後十字靱帯(PCL)損傷・・・境 隆弘・森下 聖
病態・受傷機転
1.後十字靱帯損傷
2.受傷機転とsagging徴候
診 断
1.MRI像
2.後方引き出しテスト
理学療法アプローチ
1.リハビリテーションの流れ
2.後十字靱帯への留意事項
3.膝屈曲関節可動域エクササイズ
4.大腿四頭筋OKCトレーニング(フロントブリッジ)
5.筋力強化(CKC)
6.装 具
7.補装具
8.テーピング
7 内側側副靱帯(MCL)損傷・・・多田周平・木村佳記・杉山恭二
病態・受傷機転
1.内側側副靱帯の解剖
2.MCL損傷の受傷機転
診断・治療
1.整形外科的徒手検査
2.MCLの治癒能力
理学療法アプローチ
1.MCLの保存療法,リハビリテーションの実際
2.柔軟性,関節可動域の回復
3.関節可動域運動
4.テーピング
8 半月板損傷・・・木村佳記・杉山恭二・多田周平
病態・受傷機転
1.半月板の機能解剖と生体力学的機能
2.受傷機転
3.半月板損傷による臨床症状
診断・治療
1.診断・整形外科的徒手検査
2.治 療
理学療法アプローチ
1.リハビリテーションプログラム
2.大腿遠位外側のモビライゼーション
3.膝屈曲可動域運動と柔軟性トレーニング
4.大腿四頭筋とハムストリングのストレッチ
5.SLRトレーニング
6.SLRで膝関節伸展lagを有する例の歩行荷重応答
7.カーフレイズ(calf raise)
8.ハーフシッティングでの前傾運動
9.座位を利用したトレーニング
10.スプリットスクワット(後脚大腿四頭筋負荷)
11.瞬発的収縮のトレーニング
12.ジャンプ着地
13.アジリティトレーニングの原則
9 膝オーバーユース・・・松尾高行・三谷保弘
[1 オーバーユースによるスポーツ障害膝]
1.概 説
2.関節外病変と関節内病変の特徴
[2 ジャンパー膝(膝蓋腱炎・大腿四頭筋腱炎)・Osgood—Schlatter 病・
Sinding—Larsen—Johansson 病]
病態・受傷機転
1.概 説
診断・治療
1.圧 痛
2.画像評価
3.治 療
理学療法評価・アプローチ
1.柔軟性
2.トレーニング:eccentric decline squat
3.補装具:バンド
[3 ランナー膝(腸脛靱帯炎)]
病態・受傷機転
1.概 説
診断・治療
1.圧 痛
2.画像評価
3.保存療法
理学療法評価・アプローチ
1.柔軟性
[4 鵞足炎]
病態・受傷機転
1.概 説
診断・治療
1.圧 痛
2.治 療
理学療法評価・アプローチ
1. 柔軟性
2.テーピング
10 足部損傷・・・三谷保弘
病態・受傷機転
1.足関節外側靱帯損傷
2.足底腱膜炎
3.アキレス腱障害
4.シンスプリント
5.Jones骨折
理学療法評価
1.関節可動域テスト・筋の長さテスト
2.筋力テスト
3.下肢アライメント
理学療法アプローチ
1.物理療法
2.ストレッチング
3.筋力トレーニング
4.動作指導,姿勢制御トレーニング, バランストレーニング
5.装 具
11 腰部障害・・・三谷保弘
病態・受傷機転
1.腰痛症
2.腰椎椎間板ヘルニア
3.腰椎分離症・分離すべり症
診断・治療
1.疼 痛
2.神経徴候
3.治 療
理学療法評価
1.姿 勢
2.関節可動域テスト
3.筋の長さテスト
4.筋力テスト
理学療法アプローチ
1.物理療法
2.腰背筋のストレッチング
3.脊柱の屈曲-伸展可動域運動
4.股関節周囲筋のストレッチング
5.体幹の筋力トレーニング
12 頸椎捻挫・バーナー症候群・・・吉田ー也・堀 寛史
[1 頸椎捻挫]
病態・受傷機転
1.発生メカニズム
診 断
1.頸椎捻挫の症状
2.頸椎捻挫の臨床分類
3.頸椎捻挫の診断
4.疼痛検査
5.神経学的検査(反射検査,感覚検査)
6.整形外科的徒手検査
[2 バーナー症候群]
病態・受傷機転
1.発生メカニズム
診 断
1.Grade分類
2.神経学的検査(反射検査,感覚検査)
3.整形外科的徒手検査
[3 頸椎捻挫・バーナー症候群]
理学療法評価・アプローチ
1.関節可動域検査
2.形態測定(周径)
3.徒手筋力テスト(MMT)
4.関節可動域運動,ストレッチング
5.筋力トレーニング
6.テーピング(キネシオロジーテーピング)
7.胸椎伸展ストレッチ
ミニ講義
内側膝蓋大腿靱帯損傷・・・杉山恭二・木村佳記・多田周平
大腿骨寛骨臼インピンジメント・・・堀 寛史
略語集
索 引
書評
初学者が読むだけでスポーツ理学療法の中級者になれる優れた一冊
評者:福井 勉(文京学院大学)
編集代表が序文に書かれているように,理学療法士になりたいという志望動機には「スポーツ」に何らかの形でかかわりたいと考える高校生が多い.この傾向は長い間続いており,古くは自分がスポーツで怪我をしたという動機であったが,最近では怪我の後で担当してくれた理学療法士に憧れたことが動機になっているように若干変化してきている.
しかしながら,スポーツ理学療法を設定している教育機関において,教育内容が網羅され,理解しやすさへの工夫がされている書籍はあまりなかった.その意味では本著は教科書として適切な内容の網羅と理解しやすい特徴がさまざまな側面で構築されている.
この分野の学修を屋根造りになぞらえ,瓦のようにひとつずつしっかり積み上げていく方法とペンキを塗るように何度も繰り返す方法に例えてみる.瓦がしっかりと設置されるためには,そのいくつかのポイントが明確である必要があるが,本書はタイトルにもあるように,かなり明解に書かれている.さらにフルカラーで読者に理解を容易にしようとする工夫が随所に現れている.さまざまなテストに解像度の高い写真が用いられており,興味も惹かれさらにWeb動画の充実ぶりは目を見張るものがある.このように読者を強く意識した書き方は読者に自習の意欲も促し,いわば,ペンキ塗りの効果も同時にあるように感じる.
本書の総論は「スポーツ医学と理学療法」というタイトルで,本分野の歴史から始まり,近年の重要な話題である「予防」にも重点がおかれている.また「理学療法の原則」では,治療の根拠となる組織治癒,評価や理学療法の原則から物理療法機器と補装具というように全体を概観できる構成になっている.
各論である「スポーツ損傷に対する理学療法の実際」では,代表的疾患がポイントを絞って記述されている.それぞれの章立ても,「病態・受傷機転」「診断・治療」「理学療法アプローチ」と統一されている.
分担執筆でありがちな不統一性が本書にはほとんど見られない.恐らく企画構成の段階で統一性や親しみやすさについて論議された結果ではないかと思う.ターゲットとした読者に対して,フルカラーとWeb動画によって読むことに対する動機づけが付加されていることも感じられた.写真や図が相当数あり,従来の書籍のどれよりも多いのではないかと感じた.また本書はページの区切りと理解の切り替えができるような工夫もされているので,やはり読みやすく感じる.ページによって白紙の領域を変えてあり,ページごとの該当項目のポイントが絞られていることも奏功した理由だと考えられる.さらにスポーツ現場の写真もあり,読者は興味をそそられる.
著者陣はほぼオール関西布陣であるにも関わらず,お好み焼きのようにこってりしておらず非常に洗練されており,初学者は本著1冊だけを読むだけでも,同分野の中級者になれると感じられる優れた書籍である.
「理学療法ジャーナル」vol.55 no.6(2021年6月号)(医学書院)より転載
評者:福井 勉(文京学院大学)
編集代表が序文に書かれているように,理学療法士になりたいという志望動機には「スポーツ」に何らかの形でかかわりたいと考える高校生が多い.この傾向は長い間続いており,古くは自分がスポーツで怪我をしたという動機であったが,最近では怪我の後で担当してくれた理学療法士に憧れたことが動機になっているように若干変化してきている.
しかしながら,スポーツ理学療法を設定している教育機関において,教育内容が網羅され,理解しやすさへの工夫がされている書籍はあまりなかった.その意味では本著は教科書として適切な内容の網羅と理解しやすい特徴がさまざまな側面で構築されている.
この分野の学修を屋根造りになぞらえ,瓦のようにひとつずつしっかり積み上げていく方法とペンキを塗るように何度も繰り返す方法に例えてみる.瓦がしっかりと設置されるためには,そのいくつかのポイントが明確である必要があるが,本書はタイトルにもあるように,かなり明解に書かれている.さらにフルカラーで読者に理解を容易にしようとする工夫が随所に現れている.さまざまなテストに解像度の高い写真が用いられており,興味も惹かれさらにWeb動画の充実ぶりは目を見張るものがある.このように読者を強く意識した書き方は読者に自習の意欲も促し,いわば,ペンキ塗りの効果も同時にあるように感じる.
本書の総論は「スポーツ医学と理学療法」というタイトルで,本分野の歴史から始まり,近年の重要な話題である「予防」にも重点がおかれている.また「理学療法の原則」では,治療の根拠となる組織治癒,評価や理学療法の原則から物理療法機器と補装具というように全体を概観できる構成になっている.
各論である「スポーツ損傷に対する理学療法の実際」では,代表的疾患がポイントを絞って記述されている.それぞれの章立ても,「病態・受傷機転」「診断・治療」「理学療法アプローチ」と統一されている.
分担執筆でありがちな不統一性が本書にはほとんど見られない.恐らく企画構成の段階で統一性や親しみやすさについて論議された結果ではないかと思う.ターゲットとした読者に対して,フルカラーとWeb動画によって読むことに対する動機づけが付加されていることも感じられた.写真や図が相当数あり,従来の書籍のどれよりも多いのではないかと感じた.また本書はページの区切りと理解の切り替えができるような工夫もされているので,やはり読みやすく感じる.ページによって白紙の領域を変えてあり,ページごとの該当項目のポイントが絞られていることも奏功した理由だと考えられる.さらにスポーツ現場の写真もあり,読者は興味をそそられる.
著者陣はほぼオール関西布陣であるにも関わらず,お好み焼きのようにこってりしておらず非常に洗練されており,初学者は本著1冊だけを読むだけでも,同分野の中級者になれると感じられる優れた書籍である.
「理学療法ジャーナル」vol.55 no.6(2021年6月号)(医学書院)より転載
【監修】
堀部秀二(大阪府立大学大学院総合リハビリテーション学研究科)
【編集】
小柳磨毅(大阪電気通信大学医療福祉工学部)
境 隆弘(大阪保健医療大学リハビリテーション学部)
三谷保弘(関西福祉科学大学保健医療学部)
松尾高行(大阪行岡医療大学医療学部)
Web動画の例