グリーンハル教授の物語医療学講座
内容紹介
物語を正しく理解するために、物語を正しく利用するために.NBMの入門テキスト
近・現代の医学は「ヒト」を分子・遺伝子レベルまで明らかにすることで疾患に対する治療は驚異的に発展してきたが、一方では「病める人」を診る視点が置き去りになりがちなことも指摘されてきている。
そのような時代の要請を受けて、近年、医学・医療において急速に浸透してきている概念が“Narrative-Based Medicine”。
しかし、物語とは何か? なぜ物語を尊重するのか? 医療において物語は必要なのか? といった疑問も多く、また、人類学や社会学など幅広い分野との関わりを持つ物語は正しく理解されていない面もある。
本書は、英国におけるEBM・NBMの第一人者、Trisha Greenhalgh教授が“医療における”という観点から医療現場での幅広い状況における物語の利用とその有用性について、詳細かつ簡明に説いている。エビデンスを正しく利用することと物語能力による診療は矛盾しないという立場に基づいたその内容は、診療において物語を適切に利用するためのポイントとエッセンスを説いた、まさにNBMの教科書である。
NBMを一から学びたい医療者に、目の前の患者さんに最適な医療を提供したいと願う医師・セラピストに、「物語」をキーワードとして本書は有益な示唆を与えてくれるだろう。
目次
第1章 物語と病い
参照的(模倣的)視点/変容的(反模倣的)視点/遂行的視点/審美性/一貫性/信憑性/報告価値性/説得力/説明的価値/診断・治療的価値/照明的価値/変容的価値
第2章 物語と癒し
第3章 物語と学習
第4章 物語と組織
第5章 物語と研究
物語面接/自然主義的物語収集/談話分析/事例研究/アクション・リサーチ/メタ物語的系統レビュー
第6章 物語と倫理
参照的(模倣的)視点/変容的(反模倣的)視点/遂行的視点/審美性/一貫性/信憑性/報告価値性/説得力/説明的価値/診断・治療的価値/照明的価値/変容的価値
第2章 物語と癒し
第3章 物語と学習
第4章 物語と組織
第5章 物語と研究
物語面接/自然主義的物語収集/談話分析/事例研究/アクション・リサーチ/メタ物語的系統レビュー
第6章 物語と倫理
【著】Trisha Greenhalgh
【訳】斎藤清二(富山大学保健管理センター)