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第19回勇気ある経営大賞

あなたもはまるDIC―まったく新しいDIC学への誘い

電子版あり

定価:5,940円(本体5,400円+税)

商品コード: ISBN978-4-89590-767-5

B5 / 324頁 / 2023年
【著】丸藤 哲(医療法人徳洲会札幌東徳洲会病院 顧問兼 救急集中治療センター長/北海道大学名誉教授)
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内容紹介

DICに苦手意識がある人も、関心高い人も、間違いなくハマる1冊!

わかったようでよくわからない播種性血管内凝固症候群、DICをまさに快刀乱麻を断つごとく、明解・簡潔に解説したのが本書、「あなたもはまるDIC」です。DIC学という学問体系を熱く語り、毎日の臨床に直結するDICの最新の知識を満載しました。時空を超えて地球誕生の45億年前から現在、未来へ、DNAから細胞、組織、丸ごとの人体まで、そして基礎から臨床へ、DICのすべてがこの一冊に凝集されています。豊富かつ色彩豊かな図表が本文の理解を助け、三百を超えるPoint解説が理解を深めます。学習に疲れたときは読んで楽しいコラムで息抜きをしてください。本書を手にした医学生、研修医、専攻医、専門医、すべての皆さんがDICの面白さに気づいていただけると確信しています。


目次

はじめに
略語リスト

第1章 DICとは何か
 はじめに
 1 止血血栓と免疫血栓
 2 血管内と血管外
 3 DICとは何か

第2章 概念の確立と病態への関与
 1 概念の確立  
 2 病態への関与
  1)敗血症(sepsis)とDIC
  (1)Sepsis-1
  (2)Sepsis-2からSepsis-3へ   
  (3)DIC苦難の時代   
  (4)一大方向転換とDIC   
  (5)二つの潮流   
  2)外傷とDIC
  (1)病態の確立   
  (2)希釈性凝固障害神話
  (3)DIC迫害の時代
  (4)外傷性凝固障害(trauma induced coagulopathy:TIC)とDIC
  3)心停止・蘇生とDIC
  (1)No-reflow
  (2)トロンビン産生と血栓形成
  (3)Post-Cardiac Arrest Syndrome

第3章 生体侵襲と生体反応
 はじめに
 1 生体侵襲
  1)侵襲刺激
  2)侵襲の感知
  (1)TLRs(toll-like receptor)
  (2)NLRs(NOD-like receptor)
  (3)RLRs(RIG-I-like receptor)
  (4)CLRs(C-type lectin receptor)
  (5)ALRs(AIM2-like receptor)
   3)情報伝達
  (1)TLRs(toll-like receptor)
  (2)NLRs(NOD-like receptor)
  (3)RLRs(RIG-I-like receptor)
  (4)CLRs(C-type lectin receptor)
  (5)ALRs(AIM2-like receptor)
 2 生体反応
  1)制御された細胞死
  (1)アポトーシスとネクロトーシス
  (2)パイロトーシス
  (3)ネトーシス
  (4)産物とその意義
   2)炎症反応
  (1)血管拡張と血管透過性亢進
  (2)白血球・血管内皮細胞活性化
  (3)組織侵入と殺菌
  3)凝固線溶反応
  (1)血小板・凝固反応
  (2)凝固制御反応
  (3)線溶反応
  4)炎症と凝固反応の連関
  5)キニン・カリクレイン系と補体経路
  (1)キニン・カリクレイン経路
  (2)補体経路
  6)神経内分泌・自律神経反応
  (1)神経中枢
  (2)刺激の伝達
  (3)炎症反射(inflammatory reflex)
  (4)生体反応

第4章 生体侵襲とDIC
 はじめに
 1 トロンビン
 2 PAMPsとDAMPs
  1)PAMPsとDAMPs
  2)PAMPs〜LPS
 3 制御された細胞死
  1)DAMPs
  2)パイロトーシスとインフラマソーム
  3)アポトーシスとネクロトーシス
  4)ネトーシス
  (1)NETsと免疫血栓(immunothrombosis)
  (2)血小板と白血球
  (3)線溶反応の抑制
 4 ヒストンとDNA
  1)DNA
  2)ヒストン
  (1)炎症反応
  (2)血小板活性化と凝固亢進
  (3)抗凝固機能の抑制と血管内皮細胞傷害
  (4)線溶反応の抑制
 5 サイトカインとPARs
  1)炎症性サイトカイン
  2)PARs(protease-activated receptors)
 6 補体経路反応
  1)凝固線溶系
  2)炎症反応
 7 神経内分泌・自律神経反応
  1)交感神経
  2)迷走神経

第5章 DICの病態生理
 はじめに
 1 血小板・凝固線溶反応
  1)血小板
  2)凝固線溶系
 2 血管内皮細胞と抗凝固因子
  1)グリコカリックスと血管内皮細胞
  2)抗凝固因子
 3 消費性凝固障害と出血
 4 MODS(多臓器機能障害)
  1)微小血管内血栓形成とMODS
  (1)微小血管内血栓形成
  (2)微小血管内血栓形成とMODS
  2)炎症・凝固反応連関とMODS
  (1)炎症性サイトカインと組織因子
  (2)PARs(protease-activated receptors)
  3)血管内皮細胞傷害とMODS
  (1)好中球と血管内皮細胞傷害
  (2)血管内皮細胞間隙の開大
  (3)アンギオポエチンとTie2
  (4)VEGF(血管内皮細胞増殖因子 vascular endothelial growth factor)
  (5)炎症・低酸素連関(Inflammatory hypoxia)とHIF-1α
  4)補体経路反応とMODS
  5)DAMPs,ヒストンとMODS

第6章 DICの定義,基礎病態と診断
 1 定義
 2 基礎病態
  1)基礎病態
  2)急性期医療領域のDIC
  (1)感染症と組織損傷
  (2)毒蛇咬傷
   3)産科領域のDIC
  (1)全身性炎症反応と凝固線溶系
  (2)分娩後出血(postpartum hemorrhage:PPH)
  (3)常位胎盤早期剝離
  (4)妊娠高血圧腎症(子癇前症)と子癇
  (5)羊水塞栓症
  (6)HELLP症候群
   4)悪性腫瘍とDIC
  (1)癌細胞による凝固亢進
  (2)病的炎症・凝固線溶反応
  (3)炎症・低酸素連関
  (4)線溶反応の亢進
 3 診断
  1)診断基準とは何か
  2)DIC診断基準に求められるもの
  3)ISTH DIC診断基準
  4)急性期DIC診断基準
  (1)理念
  (2)作成と検証
  (3)特徴
  (4)ISTH DIC診断基準との比較
  5)そのほかのDIC診断基準

第7章 DICの病型
 1 制御型(controlled DIC)と不全型(uncontrolled DIC)
 2 線溶抑制型(thrombotic phenotype)と線溶亢進型(fibrinolytic phenotype)
  1)考え方
  2)線溶亢進型DICの基礎病態
  3)凝固線溶反応の推移

第8章 DICの臨床
 1 症状と検査所見
   1)症状
   2)検査所見
 2 鑑別すべき病態
  1)血栓性微小血管症(TMA)
  2)ヘパリン起因性血小板減少症(heparin-induced thrombocytopenia:HIT)
  3)血球貪食症候群(hemophagocytic syndrome:HPS)
  4)抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome:APS)
  5)後天性フォン・ウィルブランド症候群(acquired von Willebrand syndrome:AvWS)
  6)後天性凝固因子インヒビター
  7)腫瘍崩壊症候群(tumor lysis syndrome:TLS)
 3 予後
   1)死亡率の変遷
   2)MODSと死亡の予測

第9章 DICの治療
 1 なぜ治療するのか
 2 抗凝固療法の至適対象
  1)DICの診断
  2)重症度の確認
  3)免疫血栓(immunothrombosis)
  4)臨床応用
 3 診療ガイドライン
 4 DICの治療
  1)基礎病態の治療
  2)補充療法
  3)抗凝固療法
  4)抗線溶療法
 5 DICの治療薬
   1)生理的抗凝固薬
  (1)アンチトロンビン製剤
  (2)遺伝子組換え型ヒトトロンボモジュリン(recombinant human soluble thrombomodulin:rhTM)
  2)ヘパリン類
  (1)未分画ヘパリンと低分子ヘパリン
  (2)ヘパリン類似物質(ヘパリノイド)
  3)合成蛋白分解酵素阻害薬
  4)抗線溶薬

第10章 症例から学ぶDIC
 1 心停止蘇生後症例
  1)心原性心停止症例
  (1)灌流量と灌流圧
  (2)凝固線溶系の変化
  (3)転帰
   2)低酸素性心停止症例
  (1)窒息
  (2)溺水
   3)心停止蘇生後症例の予後
 2 外傷症例
  1)多発外傷
  2)単独頭部外傷
  3)生理的止血・創傷治癒の凝固線溶系
  4)外傷症例の予後
 3 敗血症症例
  1)敗血症
  2)敗血症性ショック
 4 分娩後出血症例
 5 鑑別診断
  1)定期手術後に進行する血小板数減少
  2)急速に進行する出血傾向
 6 治療
  1)基礎疾患の治療,補充療法と抗凝固療法
  2)出血性副作用

おわりに
文献
索引