PT・OTのための測定評価シリーズ 3 MMT―頭部・頸部・上肢【第3版】
電子版あり
定価:5,060円(本体4,600円+税)
商品コード: ISBN978-4-89590-764-4
内容紹介
あなたは、本当に正しく測定評価ができていますか ?
「PT ・ OTのための測定評価シリーズ」で好評を博す、「MMT―頭部・頸部・上肢」の第3版。
本書では、徒手筋力検査(MMT)の信頼性と再現性を向上させるために、絶対に外してはならない重要ポイントを写真とともに説明、さらに動画を用いることでよりいっそう深く理解し、臨床現場で確実に実践できる内容となっている。
MMTは、セラピスト(療法士)間での評価について明確ではないともいわれるが、本書を通して、精度の高い技術、および客観的なデータの確立を目指し、臨床で役立つ評価指針として活用してほしい。
※今回の改訂で、前版まで付属DVDに収めていた動画がWeb配信に変わります。それに伴いシリーズ名も変更いたしました。
目次
第1章 総論
1 徒手筋力検査(MMT:manual muscle testing)
2 意義
3 目的
4 判定基準
5 テスト手技
6 メイクテストとブレイクテスト,アクティブレジスタンステスト
7 信頼性
8 代償動作
9 固定と抵抗
10 具体的手順
11 その他
12 検査時の留意点
13 おわりに
第2章 頭部・頸部
1 頭部屈曲(顎引き,chin tuck) [動画あり]
2 頭部伸展 [動画あり]
3 頸部屈曲 [動画あり]
4 頸部伸展 [動画あり]
5 頸部回旋 [動画あり]
第3章 上肢
1 肩甲骨挙上 [動画あり]
2 肩甲骨外転と上方回旋 [動画あり]
3 肩甲骨下制と内転 [動画あり]
4 肩甲骨内転 [動画あり]
5 肩甲骨内転と下方回旋 [動画あり]
6 広背筋(肩甲骨下制) [動画あり]
7 肩関節屈曲 [動画あり]
8 肩関節伸展 [動画あり]
9 肩関節外転 [動画あり]
10 肩関節外旋 [動画あり]
11 肩関節内旋 [動画あり]
12 肩関節水平外転(伸展) [動画あり]
13 肩関節水平内転(屈曲) [動画あり]
14 肘関節屈曲 [動画あり]
15 肘関節伸展 [動画あり]
16 前腕回外 [動画あり]
17 前腕回内 [動画あり]
18 手関節屈曲(掌屈) [動画あり]
19 手関節伸展(背屈) [動画あり]
20 母指中手指節(MP)関節(短母指屈筋)屈曲 [動画あり]
21 母指指節間(IP)関節(長母指屈筋)屈曲 [動画あり]
22 母指中手指節(MP)関節(短母指伸筋)伸展 [動画あり]
23 母指指節間(IP)関節(長母指伸筋)伸展 [動画あり]
24 母指外転 [動画あり]
25 母指内転 [動画あり]
26 母指および小指対立 [動画あり]
27 中手指節(MP)関節屈曲 [動画あり]
28 中手指節(MP)関節伸展 [動画あり]
29 近位指節間(PIP)関節屈曲 [動画あり]
30 遠位指節間(DIP)関節屈曲 [動画あり]
31 指外転 [動画あり]
32 指内転 [動画あり]
付録
・筋力検査と検査肢位
・筋力検査結果
・代表的な代償動作一覧
・MMT―頭部・頸部・上肢
・頭部・頸部・上肢のMMT 実施チャート
・各検査の肢位・固定または触知・抵抗または支持一覧
1 徒手筋力検査(MMT:manual muscle testing)
2 意義
3 目的
4 判定基準
5 テスト手技
6 メイクテストとブレイクテスト,アクティブレジスタンステスト
7 信頼性
8 代償動作
9 固定と抵抗
10 具体的手順
11 その他
12 検査時の留意点
13 おわりに
第2章 頭部・頸部
1 頭部屈曲(顎引き,chin tuck) [動画あり]
2 頭部伸展 [動画あり]
3 頸部屈曲 [動画あり]
4 頸部伸展 [動画あり]
5 頸部回旋 [動画あり]
第3章 上肢
1 肩甲骨挙上 [動画あり]
2 肩甲骨外転と上方回旋 [動画あり]
3 肩甲骨下制と内転 [動画あり]
4 肩甲骨内転 [動画あり]
5 肩甲骨内転と下方回旋 [動画あり]
6 広背筋(肩甲骨下制) [動画あり]
7 肩関節屈曲 [動画あり]
8 肩関節伸展 [動画あり]
9 肩関節外転 [動画あり]
10 肩関節外旋 [動画あり]
11 肩関節内旋 [動画あり]
12 肩関節水平外転(伸展) [動画あり]
13 肩関節水平内転(屈曲) [動画あり]
14 肘関節屈曲 [動画あり]
15 肘関節伸展 [動画あり]
16 前腕回外 [動画あり]
17 前腕回内 [動画あり]
18 手関節屈曲(掌屈) [動画あり]
19 手関節伸展(背屈) [動画あり]
20 母指中手指節(MP)関節(短母指屈筋)屈曲 [動画あり]
21 母指指節間(IP)関節(長母指屈筋)屈曲 [動画あり]
22 母指中手指節(MP)関節(短母指伸筋)伸展 [動画あり]
23 母指指節間(IP)関節(長母指伸筋)伸展 [動画あり]
24 母指外転 [動画あり]
25 母指内転 [動画あり]
26 母指および小指対立 [動画あり]
27 中手指節(MP)関節屈曲 [動画あり]
28 中手指節(MP)関節伸展 [動画あり]
29 近位指節間(PIP)関節屈曲 [動画あり]
30 遠位指節間(DIP)関節屈曲 [動画あり]
31 指外転 [動画あり]
32 指内転 [動画あり]
付録
・筋力検査と検査肢位
・筋力検査結果
・代表的な代償動作一覧
・MMT―頭部・頸部・上肢
・頭部・頸部・上肢のMMT 実施チャート
・各検査の肢位・固定または触知・抵抗または支持一覧
書評
理学療法士のリスキリングに最良の教材
評者:森山英樹(神戸大学生命・医学系保健学域)
理学療法士は日常的にMMTを行います。しかし、ちゃんとできていると自信をもって言える人がどのくらいいるでしょう。というのも、MMTは簡単ではないと思うからです。段階4での抵抗の中等度は曖昧で、主観に依るところが大きいのは、その最たるものです。ほとんどの方が学んだMMTの教科書―Danielsらの徒手筋力検査法は、第6版でのメイクテストからブレイクテストへの大きな転換をはじめ、信頼性や妥当性を高める方向で版を重ねてきたように思います。
本シリーズ監修者の伊藤俊一先生は、長年、日本の理学療法の標準化に心血を注がれています。本書を含む「PT・OTのための測定評価シリーズ」はその一環と理解しています。本書は、Danielsらの徒手筋力検査法の最新版である第10版に準拠したうえで、固定と抵抗や代償運動の防止を明瞭に示し、実際の臨床現場に即した別法や注意点なども説明することで、実用的な測定の信頼性と再現性を高めたMMTの標準化の集大成をみせています。また、今回の改訂で編集者に加わった遠藤達矢先生は、学生時代から15年以上にわたる伊藤先生との師弟関係を受けてか、新たな加筆箇所も統一感をもって編集されています。
本書は「頭部・頸部・上肢」と「体幹・下肢とハンドヘルドダイナモメーター」の2冊から成ります。圧倒されるほどの豊富な写真に加えて、動きと抵抗の方向や固定部位が図示され、とにかくわかりやすさが徹底されています。また、類書の多くでは、文章のみで説明されている代償運動が写真で示されているので、代償運動の見きわめを助けてくれます。
そして、本書には動画が付いています。おまけ的なものが多いなかで本書は違い、本を見なくとも動画のみで学ぶことができるほど充実しています。さらに、音声が丁寧に吹き込まれていますので、真似れば、段階3での対象者への動きの説明に悩むことなどなくなるでしょう。また、前版まで付属DVDに収められていた動画が今版からWeb配信となり、デバイスを選ばず視聴できるようになりました。このように、本書は自学自習にもうってつけです。
このほか、本書で初めて、ハンドヘルドダイナモメーターの標準的な測定方法が示されたことは特筆すべき点です。
MMTは一昔前のものとは様変わりしています。卒業以来、MMTの教科書をほとんど開いていない方や、MMTに自信があるとは言えない方は、ぜひ、本書を手に取ってください。実は私も理学療法評価学の授業を担当するにあたり、本書の初版で学び直しました。間違いなく本書は、理学療法士にとって、リスキリングのための最良の教材です。
「理学療法ジャーナル」vol.57 no.9(2023年9月号)(医学書院)より転載
評者:森山英樹(神戸大学生命・医学系保健学域)
理学療法士は日常的にMMTを行います。しかし、ちゃんとできていると自信をもって言える人がどのくらいいるでしょう。というのも、MMTは簡単ではないと思うからです。段階4での抵抗の中等度は曖昧で、主観に依るところが大きいのは、その最たるものです。ほとんどの方が学んだMMTの教科書―Danielsらの徒手筋力検査法は、第6版でのメイクテストからブレイクテストへの大きな転換をはじめ、信頼性や妥当性を高める方向で版を重ねてきたように思います。
本シリーズ監修者の伊藤俊一先生は、長年、日本の理学療法の標準化に心血を注がれています。本書を含む「PT・OTのための測定評価シリーズ」はその一環と理解しています。本書は、Danielsらの徒手筋力検査法の最新版である第10版に準拠したうえで、固定と抵抗や代償運動の防止を明瞭に示し、実際の臨床現場に即した別法や注意点なども説明することで、実用的な測定の信頼性と再現性を高めたMMTの標準化の集大成をみせています。また、今回の改訂で編集者に加わった遠藤達矢先生は、学生時代から15年以上にわたる伊藤先生との師弟関係を受けてか、新たな加筆箇所も統一感をもって編集されています。
本書は「頭部・頸部・上肢」と「体幹・下肢とハンドヘルドダイナモメーター」の2冊から成ります。圧倒されるほどの豊富な写真に加えて、動きと抵抗の方向や固定部位が図示され、とにかくわかりやすさが徹底されています。また、類書の多くでは、文章のみで説明されている代償運動が写真で示されているので、代償運動の見きわめを助けてくれます。
そして、本書には動画が付いています。おまけ的なものが多いなかで本書は違い、本を見なくとも動画のみで学ぶことができるほど充実しています。さらに、音声が丁寧に吹き込まれていますので、真似れば、段階3での対象者への動きの説明に悩むことなどなくなるでしょう。また、前版まで付属DVDに収められていた動画が今版からWeb配信となり、デバイスを選ばず視聴できるようになりました。このように、本書は自学自習にもうってつけです。
このほか、本書で初めて、ハンドヘルドダイナモメーターの標準的な測定方法が示されたことは特筆すべき点です。
MMTは一昔前のものとは様変わりしています。卒業以来、MMTの教科書をほとんど開いていない方や、MMTに自信があるとは言えない方は、ぜひ、本書を手に取ってください。実は私も理学療法評価学の授業を担当するにあたり、本書の初版で学び直しました。間違いなく本書は、理学療法士にとって、リスキリングのための最良の教材です。
「理学療法ジャーナル」vol.57 no.9(2023年9月号)(医学書院)より転載
【監修】 伊藤俊一
【編集】 仙石泰仁、遠藤達矢