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第19回勇気ある経営大賞

発達が気になる子の偏食の見方と対応―口腔・感覚・認知・環境からのアプローチ

電子版あり

定価:4,180円(本体3,800円+税)

商品コード: ISBN978-4-89590-778-1

B5 / 156頁 / 2023年
【編著】立山清美
【著】宮嶋愛弓、丹葉寛之、中岡和代、原田 瞬
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内容紹介

子どもの好き嫌いには理由がある!
子ども一人ひとりの好き嫌いの理由に応じた対応をするために

発達が気になる子では偏食(好き嫌い)に困っている家庭もあり、栄養・発達面から介入が望まれるケースもある。
本書では一人ひとり異なる好き嫌いの理由を口腔面・認知面・感覚面・環境面、また手の不器用さの面から解説するとともに、理由に応じた具体的な対応50項目を詳述。子どもの食行動の傾向や好き嫌い、またその理由を知るのに役立つチェックリスト付き。
リハスタッフ、栄養士、調理員、保育士、保護者、学校の先生、療育スタッフの連携に便利な資料や保護者支援のポイントも記述。


目次

第1章 発達が気になる子どもの食行動の特徴・・・中岡和代
  1 子どもの食行動には意味や理由がある
  2 子どもの食事中の行動をチェックしてみよう

第2章 偏食(好き嫌い)の理由を考えてみよう
 ❶ 子どもの成長と偏食・・・宮嶋愛弓
  1 偏食とは?
  2 発達が気になる子どもの成長と偏食
 ❷ 子どもの好き嫌いを把握しよう・・・立山清美
  1 「好き嫌いチェック表」の活用
    「好き嫌いチェック表」の使い方
  2 食事状況の把握
  3 好き嫌いと栄養のバランスの確認
   1. 身長・体重をもとに、順調に発育しているかを確認
   2. 顔色や爪の状態を確認
   3. 全体として栄養のバランスがとれているかどうかをみる
 ❸ 好き嫌いの理由に着眼する・・・宮嶋愛弓
  1 子どもによって異なる「食べない理由」
  2 「食べない理由」によって「適切な対応」は異なる
  3 好きな食べ物や「食べ(られ)る理由」にも着目しよう
  4 好き嫌いの理由には何があるの?
 ❹ 口腔面の特性と理由(上手に食べるための口の動きについて)・・・原田 瞬
  1 口の動きと偏食(好き嫌い)の関係
  2 上手に食べるための口の動き
   1. 唇の働き
   2. 舌の働き
   3. 頬の働き
   4. あごの働き
   5. のどの働き
  3 口の動きの発達
  4 発達が気になる子どもの口の動きと偏食(好き嫌い)
 ❺ 感覚面の特性と理由・・・宮嶋愛弓
  1 食事の際に使われる感覚とその個人差
  2 感覚面の理由
   1. 味の好き嫌い
   2. においの好き嫌い
   3. 食感の好き嫌い
   4. 温度の好き嫌い
   5. 音の好き嫌い
   6. 外観・見た目の好き嫌い
 ❻ 認知面の理由・・・立山清美
  1 慣れ
    「慣れているから」は、好きな理由の上位
  2 見通し
   1. どのような食べ物なのか、という見通し
   2. 量やサイズの見通し
   3 こだわり
   特徴1.「変えない」─予定、物、位置、道順、順番など
   特徴2.「やめない」
   特徴3.「始めない」─新たなことを始められない
 ❼ 環境面の理由・・・立山清美
  1 外部環境
   1. 人的環境
   2. 物的環境
  2 内部環境
   1. 子どものコンディション
   2. 子どもの発達・特性

第3章 偏食(好き嫌い)の対応を考えてみよう
 ❶ 偏食への対応の現状・・・宮嶋愛弓
 ❷ 偏食(好き嫌い)の理由に応じた対応・・・宮嶋愛弓
 ❸ 口腔面の理由への対応(食べやすくするための工夫について)・・・原田 瞬
  1 子どもの食べにくさに目を向ける
  2 食べにくい理由を考えてみよう
  3 食べにくさへの対応
   1. 食べ物を工夫する
   2. 口の動きの発達を促す
 ❹ 感覚面の理由への対応・・・宮嶋愛弓
  1 感覚を混ぜない─対応する感覚の種類:食感・味・におい
   1. 一品ずつ料理を食べる
   2. 一口ずつ終わらせ、味を混ぜない
  2 嫌いな感覚を変える、好きな感覚を利用する
   1. 味
   2. におい
   3. 食感
   4. 温度
   5. 音
   6. 外観・見た目
 ❺ 認知面の理由への対応・・・立山清美
  1 ファーストチャレンジを支援する(初めての経験をさせ、食材を知ってもらう)
   1. 食べないものも食卓に出す
   2. 口の中に入れる
   3. 残すこともできるようにする
   4. 似ている料理に挑戦する
  2 量やサイズの見通しを持たせる
  3 ともに経験し、見通しを持たせる
  4 ルールを決めて見通しを持たせる
   1. 嫌いなものから食べ、好きなものを最後にする
   2. 食べなくてもすぐに片づける
  5 嫌い・苦手なものに気づかせない
   1. 容器を変更する・入れなおす
   2. 許容範囲で入れる
 ❻ 環境面の理由への対応・・・宮嶋愛弓
  1 人的環境─認知・環境面への対応
   1. 介助方法に一貫性を持たせる
   2. 強制せず頑張りを認める
   3. 楽しい雰囲気を意識する
  2 物的環境
   1. こだわりを利用し新しい環境に慣れさせる
   2. 経験を通して新しい環境に慣れさせる

第4章 手指の不器用さの見方と対応を考えよう・・・丹葉寛之
  1 自分で食べられるようになるには
  2 自分で食べるために必要なからだ・手・こころの発達(スプーン操作の獲得まで)
  3 スプーンの持ち方の発達
  4 スプーン操作と、フォーク操作の違い
  5 箸の操作について
  6 食事環境を見直してみよう

第5章 保護者の状況の理解と支援(保護者への支援、就学前・後の支援)
  1 保護者支援の際に気をつけていること・・・立山清美
  2 保護者の状況を理解する・・・立山清美
   1. 保護者が大事にしていることを尊重する
   2. 取り組んできたことを尋ねて情報を共有する
   3. 必要に応じて保護者の生活時間も把握する
  3 「偏食がある子どもの保護者の自己効力感尺度(SAPS)」の紹介・・・宮嶋愛弓
   1. SAPSの目的・意義
   2. 偏食がある子どもの保護者の「自己効力感」とは?
   3. SAPSの特徴と使い方
   4. SAPSの活かし方
  4 保護者支援のタイミングと発信・・・立山清美
   1. 支援のタイミングは「今なのか」を吟味
   2. 保護者への発信
  5 就学前・後の支援
   1. 慣れにくく不安が強い子どもには先手を打つ・・・立山清美
   2. 環境の変化に見通しが持ちづらい子どもと保護者に配慮する・・・立山清美
   3. 学校への引き継ぎ・・・立山清美
   4. 学校の給食に慣れるまでの支援・・・中岡和代

●付表

コラム一覧
❶子どもの食行動・・・中岡和代
❷子どもの食事で保護者が困っていること・・・中岡和代
❸感覚における個人差・・・宮嶋愛弓
❹慣れにくい子どもでは感覚過敏が影響していることがある・・・立山清美
❺子どもが何にこだわっているのかを見極める・・・立山清美
❻一度の嫌な経験で食べ物が嫌いになる「味覚嫌悪学習」・・・立山清美
❼人の多く集まる場所が苦手な子ども・・・立山清美
❽内部環境と外部環境は相互に影響・・・立山清美
❾離乳食の進め方ー感覚面への対応・・・宮嶋愛弓
❿子どもの味覚の発達をふまえた対応・・・宮嶋愛弓
⓫見慣れない食べ物、どのような状況なら食べようと思いますか?・・・立山清美
⓬ほめることがなぜ大事?・・・立山清美
⓭なぜその支援が必要なのか理由も伝えよう(申し送る側)、理由を確認しよう(受け手側)・・・立山清美