障害者の暮らしの中に起こる支障とその援助を原点から解説

シリーズ3巻目のテーマは、「食・移」とともに暮らしの中で大切な行為である「着る・装うこと」。本書では、「おしゃれ」ということを強調することなく、自己表現や社会参加の手段の観点から「着る・装うこと」の障害の理解と解決法を取り上げた。すなわち、「自分らしく装う」ためには、病気や障害によりどのような問題が生じ、解決のためにはどのような支援・サービスがあれば、ひとが「着る・装うこと」を通して生活の中に楽しさと喜びを取り戻すことができるのかを述べたものである。
作業療法士をはじめリハビリテーション専門職、福祉、アパレル関係、障害を有する人、高齢者、その家族など、すべての人にとっての必読の一冊である。

I　総論
　着る・装うことの意味と障害・・・菊池恵美子・岩波君代

II　着る・装うことの障害と解決のためのアプローチ
　 1.脳血管疾患に伴う着る・装うことの障害へのアプローチ・・・菊池恵美子・岩波君代
　　【コラム1】おしゃれに対するきっかけ・・・中西理佐子

　2.脊髄損傷に伴う着る・装うことの障害へのアプローチ・・・菊池恵美子・岩波君代

　3.関節リウマチに伴う着る・装うことの障害へのアプローチ・・・菊池恵美子・岩波君代
　　【コラム2】Yさん60代女性(関節リウマチ)の場合・・・中西理佐子

　4.高齢に伴う着る・装うことの障害へのアプローチ・・・菊池恵美子・岩波君代・守口恭子
　　A.虚弱高齢者に伴う着る・装うとその問題
　　B.ベッドで過ごすことの多い高齢者に伴う着る・装うとその問題
　　C.認知症高齢者における着る・装うことの障害と課題
　　【介護者のためのカット講習会】・・・須藤尚之

　5.精神障害がある人たちの着る・装うことの障害とそのアプローチ・・・姉崎　正

　6.発達障害に伴う着る・装うことの障害へのアプローチ・・・菊池恵美子・茂原直子・岩波君代
　　A.発達障害がある子どもたちに対する着る・装うことへのアプローチ
　　【コラム3】(肢体不自由)児童生徒の服装事情・・・波多野裕子
　　B.発達障害(成人期)に伴う着る・装うことの障害とアプローチ
　　【コラム4】B君の場合・・・波多野裕子

　7.視覚障害に伴う着る・装うことの障害へのアプローチ・・・郷家和子

　8.「美」意識改革・・・小島直子