ワークシート式 失語症言語訓練講座
内容紹介
本書の特色は、失語症とそのリハ訓練について基礎的事項を学んだら、すぐにワークシートを使って実際に言語訓練を実施できることである。
まず、治療上の問題点は何かを論じ、MRIによって脳の構造と失語症の局在を示し、次にリハの訓練効果をはかる統計手法を具体的に解説。続いて、言語訓練の流れ、またその背景となった理論に言及、この時点でリハ訓練の基本事項が身につくようになっている。
言語訓練用の7種類のワークシートと判定用紙はいずれも使用方法を詳述、ワークシートを拡大コピーすれば、現場で即座に使用が可能である。
日々臨床の場で苦労されているSTには願ってもない実用書。
まず、治療上の問題点は何かを論じ、MRIによって脳の構造と失語症の局在を示し、次にリハの訓練効果をはかる統計手法を具体的に解説。続いて、言語訓練の流れ、またその背景となった理論に言及、この時点でリハ訓練の基本事項が身につくようになっている。
言語訓練用の7種類のワークシートと判定用紙はいずれも使用方法を詳述、ワークシートを拡大コピーすれば、現場で即座に使用が可能である。
日々臨床の場で苦労されているSTには願ってもない実用書。
目次
第1章
言語訓練の基礎
1.失語症の治療に関する諸問題
1.失語症症状の本質の解明
2.保続の治療
3.失語症の即効性治療効果
4.遅効性の治療結果は自然回復との区分が困難である
5.遅効性治療効果と自然回復を区別する方法
1)グループ研究
2)単一症例の研究
3)A - B 除去法
4)多数基準法(multiple baseline method)
6.失語症の治療効果をみるのに適切な方法-訓練材料統制法
7.般化について
おわりに
2.失語症の基礎知識
1.失語の定義
2.失語の分類
3.実際のテスト
1)話し言葉の表出
2)話し言葉の理解
3)復唱
4)自発書写、書取、写字
5)読解、音読
4.失語と利き手
5.失語の臨床型
1)ブローカ失語(Broca aphasia)
2)ウェルニッケ失語(Wernicke aphasia)
3)伝導失語(conduction aphasia)
4)超皮質性運動失語(transcortical motor aphasia)
5)超皮質性感覚失語(transcortical sensony aphasia)
6)超皮質性混合型失語(mixed transcortical aphasia)
7)健忘失語(amnestic aphasia)
8)失読失書(alexia with agraphia)
9)全失語(total aphasia、 global aphasia)
10)純粋語唖
(純粋運動失語、純粋発話失行、pure word dumbness、aphemia、pure apraxia of speech)
11)純粋語聾(pure word deafness)
12)純粋失読(pure alexia)
13)純粋失書(pure agraphia)
3.MRIでみる大脳の構造と失語症の局在
1.MRIと脳構造同定の方法論
2.脳の解剖学的知見とMRI同定のポイント
1)脳の分類
2)脳葉について
3)脳溝について
4)脳回について
3.失語性関連症候の局在
4.言語訓練と統計手法
[1]仮説検定のための統計手法
1.独立性の検定
2.母比率に関する検定
3.比率の差に関する検定
1)独立な2標本における比率の差に関する検定
2)対応がある2標本における比率の差に関する検定
4.独立2標本における平均値の差に関する検定
5.独立2標本における代表値の差に関する検定
6.対応がある場合における平均値の差に関する検定
7.対応がある場合における代表値の差に関する検定
8.交絡因子がある場合の2×2分割表の解析(マンテン・ヘンツェル検定)
[2]言語訓練による般化と訓練効果に関する方法
1.般化の検定と訓練効果の検定の併用による方法
2.ロジスティック回帰分析による方法
第2章
言語訓練の実際
1.リハビリテーションの流れ
1.いつ、何をするのか
1)急性期---発症直後から発症後1ヵ月程度まで
2)訓練期---発症後1~6ヵ月程度まで
3)慢性期---発症後6ヵ月以降
2.言語治療業務の流れ
1)情報を収集する
2)患者・家族の主訴を聞く
3)検査・評価をする
A.言語検査
B.高次脳機能検査
4)他職種と連携をとる
5)訓練プログラムを立てる
6)訓練・指導をする
7)再評価する
8)他職種との連携
9)訓練を終了する
2.言語訓練の背景になった理論
1.刺激法(stimulation approach)
2.オペラント条件づけ理論に基づくプログラム学習
3.機能再編成(reorganization)による訓練法
4.言語学に基づく訓練法
5.ボストン学派の訓練法
6.認知神経心理学に基づく訓練法
3.音声言語の訓練
[1]話す訓練
1.喚語困難
1)単語レベルの発話をうながす訓練
2)文レベルの発話をうながす訓練
3)談話レベルの発話をうながす訓練
2.発語失行
1)構音の正確さを増やすための訓練法
2)ディスプロソディに対する訓練法
3)ジェスチャーを用いる訓練法
4)口腔顔面失行を伴う重度の発話失行患者に対する訓練法
3.復唱
4.実用的なコミュニケーション能力を改善させる訓練
1)非言語的なコミュニケーション手段を用いる
2)PACE (Promoting Aphasics’Communicative Effectiveness)
3)情報伝達促進法(“Promoting Information Transmission” therapy ;PIT)
[2]聞く訓練
1.音レベルの訓練
2.単語レベルの訓練
3.文レベルの訓練
4.談話レベルの訓練
4.文字言語の訓練
[1]読む訓練
1.読解力の検査と訓練
1)単語レベルの検査と訓練
2)文レベルの検査と訓練
3)談話レベルの検査と訓練
2.音読の検査と訓練
1)音レベル、単語レベルの検査と訓練
2)文レベルの検査と訓練
3)発語失行により音読に障害が認められる場合
3.失語症に合併しやすい視覚失認、視野障害による読みの障害
[2]書く訓練
1.言語性の要素に関連する障害と訓練
1)自発書字に障害が認められる場合
2)書取に障害が認められる場合
2.失語症に合併しやすい書字障害(運動性の要素、視空間能力に関連する障害と訓練)
1)運動性の要素の検査と訓練
2)視空間能力の検査と訓練
[3]仮名の書字訓練
1.用いる文字
2.訓練前の書字テスト
3.第1訓練の方法
1)第1訓練第1段階
2)第1訓練第2段階
3)第1訓練第3段階
4)第1訓練第4段階
4.第1訓練の訓練結果の測定
1)単語レベルの分析
2)文字レベルの分析
5.第2訓練の方法
1)第2訓練第1段階
2)第2訓練第2段階
3)第2訓練第3段階
4)第2訓練第4段階
6.第2訓練の訓練効果の測定
7.第1訓練の訓練効果の保持の測定
漢字・仮名の音読および書取テスト
1.漢字と仮名の適切な検査語について
1)単一漢字単語と単一仮名
2)やさしい漢字46文字(単一漢字単語)の選択の手続き
3)99~38歳および99~8歳(2003年現在)の人に適用可能なやさしい漢字61文字
4)単一漢字単語と仮名単語
言語訓練の基礎
1.失語症の治療に関する諸問題
1.失語症症状の本質の解明
2.保続の治療
3.失語症の即効性治療効果
4.遅効性の治療結果は自然回復との区分が困難である
5.遅効性治療効果と自然回復を区別する方法
1)グループ研究
2)単一症例の研究
3)A - B 除去法
4)多数基準法(multiple baseline method)
6.失語症の治療効果をみるのに適切な方法-訓練材料統制法
7.般化について
おわりに
2.失語症の基礎知識
1.失語の定義
2.失語の分類
3.実際のテスト
1)話し言葉の表出
2)話し言葉の理解
3)復唱
4)自発書写、書取、写字
5)読解、音読
4.失語と利き手
5.失語の臨床型
1)ブローカ失語(Broca aphasia)
2)ウェルニッケ失語(Wernicke aphasia)
3)伝導失語(conduction aphasia)
4)超皮質性運動失語(transcortical motor aphasia)
5)超皮質性感覚失語(transcortical sensony aphasia)
6)超皮質性混合型失語(mixed transcortical aphasia)
7)健忘失語(amnestic aphasia)
8)失読失書(alexia with agraphia)
9)全失語(total aphasia、 global aphasia)
10)純粋語唖
(純粋運動失語、純粋発話失行、pure word dumbness、aphemia、pure apraxia of speech)
11)純粋語聾(pure word deafness)
12)純粋失読(pure alexia)
13)純粋失書(pure agraphia)
3.MRIでみる大脳の構造と失語症の局在
1.MRIと脳構造同定の方法論
2.脳の解剖学的知見とMRI同定のポイント
1)脳の分類
2)脳葉について
3)脳溝について
4)脳回について
3.失語性関連症候の局在
4.言語訓練と統計手法
[1]仮説検定のための統計手法
1.独立性の検定
2.母比率に関する検定
3.比率の差に関する検定
1)独立な2標本における比率の差に関する検定
2)対応がある2標本における比率の差に関する検定
4.独立2標本における平均値の差に関する検定
5.独立2標本における代表値の差に関する検定
6.対応がある場合における平均値の差に関する検定
7.対応がある場合における代表値の差に関する検定
8.交絡因子がある場合の2×2分割表の解析(マンテン・ヘンツェル検定)
[2]言語訓練による般化と訓練効果に関する方法
1.般化の検定と訓練効果の検定の併用による方法
2.ロジスティック回帰分析による方法
第2章
言語訓練の実際
1.リハビリテーションの流れ
1.いつ、何をするのか
1)急性期---発症直後から発症後1ヵ月程度まで
2)訓練期---発症後1~6ヵ月程度まで
3)慢性期---発症後6ヵ月以降
2.言語治療業務の流れ
1)情報を収集する
2)患者・家族の主訴を聞く
3)検査・評価をする
A.言語検査
B.高次脳機能検査
4)他職種と連携をとる
5)訓練プログラムを立てる
6)訓練・指導をする
7)再評価する
8)他職種との連携
9)訓練を終了する
2.言語訓練の背景になった理論
1.刺激法(stimulation approach)
2.オペラント条件づけ理論に基づくプログラム学習
3.機能再編成(reorganization)による訓練法
4.言語学に基づく訓練法
5.ボストン学派の訓練法
6.認知神経心理学に基づく訓練法
3.音声言語の訓練
[1]話す訓練
1.喚語困難
1)単語レベルの発話をうながす訓練
2)文レベルの発話をうながす訓練
3)談話レベルの発話をうながす訓練
2.発語失行
1)構音の正確さを増やすための訓練法
2)ディスプロソディに対する訓練法
3)ジェスチャーを用いる訓練法
4)口腔顔面失行を伴う重度の発話失行患者に対する訓練法
3.復唱
4.実用的なコミュニケーション能力を改善させる訓練
1)非言語的なコミュニケーション手段を用いる
2)PACE (Promoting Aphasics’Communicative Effectiveness)
3)情報伝達促進法(“Promoting Information Transmission” therapy ;PIT)
[2]聞く訓練
1.音レベルの訓練
2.単語レベルの訓練
3.文レベルの訓練
4.談話レベルの訓練
4.文字言語の訓練
[1]読む訓練
1.読解力の検査と訓練
1)単語レベルの検査と訓練
2)文レベルの検査と訓練
3)談話レベルの検査と訓練
2.音読の検査と訓練
1)音レベル、単語レベルの検査と訓練
2)文レベルの検査と訓練
3)発語失行により音読に障害が認められる場合
3.失語症に合併しやすい視覚失認、視野障害による読みの障害
[2]書く訓練
1.言語性の要素に関連する障害と訓練
1)自発書字に障害が認められる場合
2)書取に障害が認められる場合
2.失語症に合併しやすい書字障害(運動性の要素、視空間能力に関連する障害と訓練)
1)運動性の要素の検査と訓練
2)視空間能力の検査と訓練
[3]仮名の書字訓練
1.用いる文字
2.訓練前の書字テスト
3.第1訓練の方法
1)第1訓練第1段階
2)第1訓練第2段階
3)第1訓練第3段階
4)第1訓練第4段階
4.第1訓練の訓練結果の測定
1)単語レベルの分析
2)文字レベルの分析
5.第2訓練の方法
1)第2訓練第1段階
2)第2訓練第2段階
3)第2訓練第3段階
4)第2訓練第4段階
6.第2訓練の訓練効果の測定
7.第1訓練の訓練効果の保持の測定
漢字・仮名の音読および書取テスト
1.漢字と仮名の適切な検査語について
1)単一漢字単語と単一仮名
2)やさしい漢字46文字(単一漢字単語)の選択の手続き
3)99~38歳および99~8歳(2003年現在)の人に適用可能なやさしい漢字61文字
4)単一漢字単語と仮名単語
【編著】
杉下守弘(東京福祉大学臨床心理学専攻教授)
【訳者】
高山吉弘(東京大学大学院音声言語医学分野助教授)
逸見 功(日本赤十字看護大学看護学部助教授)
広実真弓(東京都立保健科学大学非常勤講師)