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第19回勇気ある経営大賞

リハビリテーション医学の世界 科学技術としてのその本質,その展開,そしてエトス

定価:3,524円(本体3,204円+税)

商品コード: ISBN978-4-89590-012-6

A5 / 362頁 / 1992年
【著】 上田 敏
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内容紹介

リハビリテーション医学を志して三十数年に及ぶ著者の臨床と研究の集大成

リハビリテーション医学の科学技術としての本質と直面する諸テーマを、リハビリテーション医学の発展とエトスに立ち返って解説する待望のリハビリテーション医学論。初心者にはオリエンテーションとして、リハビリテーション医療に携わる人々には日常の指針として好適の書。リハビリテーション医学を志して三十数年に及ぶ著者の臨床と研究の集大成。

目次

序章 リハビリテーション医学誕生物語
  はじめに
  Ⅰ リハビリテーション医学の源流
  Ⅱ アメリカにおけるリハビリテーション医学の誕生
  Ⅲ 第二次大戦中の経験と戦後の新専門科としての出発
  Ⅳ ポリオへの挑戦とシスター・ケニーの功罪
  Ⅴ 「早期離床」、「早期歩行」の運動の大きな役割
  おわりに

第一章 リハビリテーション医学の展開
 第一節 一九六〇年代初期のアメリカのリハビリテーション医学
  Ⅰ ニューヨーク大学でのレジデント研修
  Ⅱ リハビリテーション医学の対象疾患の拡がり
 第二節 「日本のリハビリテーション医学」の建設に向かって
  Ⅰ 借り物でない学問を―科学としてのリハビリテーション医学の建設を目指して
  Ⅱ 筋萎縮性疾患のリハビリテーションの発展―日米の生活様式の違いに立ったプログラム
  Ⅲ 脳卒中のリハビリテーションに関する基礎的研究
  第二節のおわりに
 第三節 「ファシリテーション・テクニック」を考える
  Ⅰ ファシリテーション・テクニックとの出会い
  Ⅱ 直列方式の問題点
  Ⅲ 脳性麻痺とファシリテーション・テクニック
  Ⅳ ファシリテーション・テクニックのまとめ
 第四節 障害像の変貌と廃用・過用・誤用の再認識
  Ⅰ 高齢化と廃用症候群
  Ⅱ 過用と誤用
 第五節 リハビリテーション工学の進歩
 おわりに

第二章 リハビリテーション医学の本質
 はじめに 経験から科学へのリハビリテーション医学の発展
 第一節 リハビリテーション医学の基本的特徴
  Ⅰ「 「リハビリテーション」という言葉の意味
  Ⅱ リハビリテーション医学と医学的リハビリテーションとの異同
  Ⅲ リハビリテーション医学と物理医学との異同
  Ⅳ「 「プラスの医学」としてのリハビリテーション医学
 第二節 リハビリテーション医学のアプローチの重層性 障害の構造と対応して
  Ⅰ 障害の構造とその重層性
  Ⅱ リハビリテーション医学の基本的アプローチ―その重層性と「段階論」の克服の必要性
 第三節 リハビリテーションの目標としてのADLとQOL―QOL向上のためのADL自立促進とADLの概念の拡大
  Ⅰ QOLの概念と構造
  Ⅱ ADLの歴史と現状
  Ⅲ ADLとQOLの関係
  Ⅳ これからのADLの考え方
 第四節 リハビリテーション医学の構造と内容
  Ⅰ リハビリテーション医学の構造の概観
  Ⅱ リハビリテーション診断学とは何か―「障害と能力の診断学」
  Ⅲ 障害の予後学
 第五節 リハビリテーション医学の方法論の重層性
 おわりに

 コーヒーブレーク/地域リハビリテーション活動を考える

第三章 リハビリテーション医療の実際
 はじめに
 第一節 目標指向的アプローチ
  Ⅰ 「問題指向」から「目標指向」へ
  Ⅱ 目標設定における「方針」の重要さ―「段階論的」方針から「目標指向的」方針へ
  Ⅲ 目標指向的アプローチの実例(1) ―利き手変換によって復職に成功した右片麻痺の教師の例
  Ⅳ 目標指向的アプローチの実例(2) ―麻痺手を補助手として使って美容師への復帰を目指す方針の例
  Ⅴ 目標指向的アプローチの実例(3) ―デュシェンヌ型筋ジストロフィー症の男児の場合
 おわりに―「先見性の医学」

 第二節 積極的リハビリテーション・プログラムとその成果
  Ⅰ 早期リハビリテーション開始の重要性
  Ⅱ 積極的リハビリテーション・プログラム開発の経過
  Ⅲ 積極的リハビリテーション・プログラムの実際(1) ―基本方針の重要さと早期歩行自立
  Ⅳ 積極的リハビリテーション・プログラムの実際(2) ―早期ADL自立を目指す実際生活の場でのADL訓練
  Ⅴ 積極的リハビリテーション・プログラムの実際(3) ―生活全体の活発化による全身性廃用症候群の克服
  Ⅵ 積極的リハビリテーション・プログラムの実際(4) ―外泊訓練と社会生活に向けての訓練
  Ⅶ 脳卒中における積極的リハビリテーション・プログラムの効果
  Ⅷ 高次脳機能障害のリハビリテーションにおける実際生活中心のアプローチ
  Ⅸ 過用の危険の大きい神経筋疾患におけるリハビリテーション・プログラム―ギラン・バレー症候群の一例
  Ⅹ ハイリスク・体力消耗状態のリハビリテーションと積極的リハビリテーション・プログラムとの相互関係
おわりに―「きめ細かさの医学」

第四章 リハビリテーション医療におけるチームワークとリーダーシップ
 はじめに
 第一節 リハビリテーション医とその役割
  Ⅰ チーム・リーダーとしてのリハビリテーション医
 第二節 処方について考える
  Ⅰ 処方の内容の様々なレベル
  Ⅱ 処方の具体的な内容
 おわりに

終章 リハビリテーション医学のエトス