■特集
「笑い」と「泣き」の作業療法―情動にどうアプローチするか

楽しい笑いの生理学―脳内リセット理論・・・吉野槇一
「笑い」と「泣き」の生理学的背景・・・有田秀穂
泣く・笑う―悲哀の仕事と作業療法・・・山根寛
情動系と運動学習・・・永田誠一, 中島良子, 高城千春, 立木景子, 和多久絵
重症心身障害児との笑いと泣きの作業療法・・・岸本光夫
老年期における情動に対するアプローチ―いかにして生活の場で個人史(物語)の過去と未来の扉を開けるか・・・川本愛一郎

■講座　臨床に役立つ統計学講座　3
多重比較入門II―論理回路・・・井上克己

■特別寄稿
これからの作業療法教育を考える―教育原理と作業療法専門教育・・・山口昇, 荒木律子, 小野敏子, 河田　誠, 酒井和子, 矢谷令子

■症例報告
触法行為を引き起こした統合失調症者へのOTアプローチ―妄想の核をなす「痛み」への取り組み・・・大場よし子, 小川恵梨子

■覗いてみたい!?先輩OTの頭の中:認知症の人への対応〈ケース12〉
虐待を受けていたサキさん(2)・・・谷川良博

■提言
生きる練習とADL・・・辛島千恵子

■学会・研修会印象記
リハビリテーション・ケア合同研究大会青森2006・・・酒井智子

■リカバリーショット
今まで……これから・・・塚田育子

鈴木ミヤ「ふる里」

私の育った環境は義経伝説の自然豊かな温泉郷である。しかし、幼いころに父の育った2キロくらい離れた土地へ年に一度墓詣りを自転車にのせられて行くのだが、目に映った住家は自分の生活とは遠くかけ離れたものだった。興味があり稲わらで囲った家をのぞいたことがある。今のキャンプ生活にくらべてもへだたりは大きい。しかしそこに住む人は満面笑みで迎え、いろりにさしてある川魚を差出し応対してくれた。
そんな情景が今も残像しなつかしい。その場所に何十年振りで車で通る、目をみはる光景である。新建材で立派で家が建ち並び、そこには土木会社の看板がかかっている。みんな頑張ったのだとうれしかった。
私のちぎった萱ぶきの家は過去のものとなったが、やはり、あの時代の姿を忘れたくない。大好きなふるさとを語りついで行く。