ポイントマスター ! 小児眼科・弱視斜視外来ノート
電子版あり
定価:2,970円(本体2,700円+税)
商品コード: ISBN978-4-89590-566-4
内容紹介
教科書には書かれていない小児眼科・弱視斜視外来のコツとポイントが、ぎゅっと凝縮 !
アジアでトップレベルの診療を行い、全国から眼科医が研修に訪れる浜松医科大学眼科学教室・小児眼科弱視斜視分野で、実際に使用されている外来診療マニュアルを書籍化 !検査、眼鏡処方、弱視・斜視の診断治療のコツとポイントをスペシャリストがわかりやすく解説しています。
「寝転んで読みながらでも1週間以内に読めること」を目標にコンパクトにまとめ、小児眼科を専門としない眼科医、専門医を目指す若手眼科医、視能訓練士が“これだけは知っておきたいエッセンス”が効率良く身につきます。
付録として、浜松医科大学で用いている小児問診票やさまざまなリーフレット、斜視手術で使用している器具一覧を掲載。
白衣のポケットに入るコンパクトサイズで、書き込むためのメモスペースも豊富な、眼科医・視能訓練士必携の一冊です !
執筆者一覧
浜松医科大学 眼科学教室
佐藤美保
彦谷明子
澤田麻友
古森美和
鈴木寛子
浜松医科大学 視能訓練士
稲垣理佐子
鷲山 愛
長谷岡宗
新井慎司
中東遠総合医療センター 眼科
土屋陽子
付録
本書157~175ページに掲載している浜松医科大学附属病院眼科外来で実際に使用している問診票やリーフレットの内容です。
ダウンロードして、ぜひご活用ください。
小児問診票【PDF】
調節麻痺薬による屈折検査(サイプレジン)【PDF】
調節麻痺薬による屈折検査(アトロピン)【PDF】
調節麻痺薬による屈折検査(軟膏)【PDF】
アイパッチ訓練【PDF】
アイパッチ日記【PDF】
輻湊(内寄せ)訓練【PDF】
手術説明書【PDF】
図による手術説明書【PDF】
眼科手術後の注意点【PDF】
ダウンロードして、ぜひご活用ください。
小児問診票【PDF】
調節麻痺薬による屈折検査(サイプレジン)【PDF】
調節麻痺薬による屈折検査(アトロピン)【PDF】
調節麻痺薬による屈折検査(軟膏)【PDF】
アイパッチ訓練【PDF】
アイパッチ日記【PDF】
輻湊(内寄せ)訓練【PDF】
手術説明書【PDF】
図による手術説明書【PDF】
眼科手術後の注意点【PDF】
目次
1 検査に必要な道具を準備しよう・・・鷲山 愛
明るい環境づくりを
固視目標,玩具
視力表
プリズム
遮眼子
デジタルカメラ
2 小児の発達を知ろう・・・新井慎司
小児の発達(検査での工夫・ポイント)
小児とのコミュニケーション
小児の発達特性
発達障害とは
3 屈折検査をしよう・・・新井慎司
屈折検査の目的
他覚的屈折検査
4 視力検査をしよう・・・鷲山 愛, 稲垣理佐子
成人と小児の違い
測定方法
視力の種類
5 眼科一般検査をしよう・・・佐藤美保
眼底反射(red reflex)の観察
手持ち細隙灯顕微鏡検査
眼圧検査
眼底検査
6 眼位検査をしよう・・・稲垣理佐子
眼位検査
眼位検査をする前に
検査の工夫
最大斜視角の検出
7 両眼視機能検査をしよう・・・長谷岡宗
両眼視機能について
近見立体視検査
遠見立体視検査
網膜対応検査
プリズムで複視の有無を確認する
回旋偏位検査
8 眼鏡を処方しよう・・・佐藤美保
眼鏡処方の基準
調節麻痺薬
瞳孔間距離の測り方
フレームの選び方
眼鏡の仕上がりの確認
定期検査
療養費の支給対象について
9 弱視の診断をしよう・・・鈴木寛子
弱視について
弱視の分類
弱視と間違われやすい疾患
弱視の診断方法
弱視診断フローチャート
10 弱視の治療をしよう・・・古森美和
弱視治療のガイドライン
原因別治療の基本
11 斜視の用語と法則を知ろう・・・彦谷明子
斜視
眼球運動の法則
両眼視機能
網膜対応
12 斜視の治療方針をたてよう・・・土屋陽子
斜視とは
乳児内斜視
調節性内斜視
間欠性外斜視
先天上斜筋麻痺
Q&A 小児の眼科でよくある質問とその答え方・・・澤田麻友, 佐藤美保
付録
小児問診票/調節麻痺薬による屈折検査(サイプレジン)/調節麻痺薬による屈折検査(アトロピン)/調節麻痺薬による屈折検査(軟膏)/アイパッチ訓練/アイパッチ日記/輻湊(内寄せ)訓練/手術説明書/図による手術説明書/眼科手術後の注意点/浜松医科大学式 斜視手術セット
明るい環境づくりを
固視目標,玩具
視力表
プリズム
遮眼子
デジタルカメラ
2 小児の発達を知ろう・・・新井慎司
小児の発達(検査での工夫・ポイント)
小児とのコミュニケーション
小児の発達特性
発達障害とは
3 屈折検査をしよう・・・新井慎司
屈折検査の目的
他覚的屈折検査
4 視力検査をしよう・・・鷲山 愛, 稲垣理佐子
成人と小児の違い
測定方法
視力の種類
5 眼科一般検査をしよう・・・佐藤美保
眼底反射(red reflex)の観察
手持ち細隙灯顕微鏡検査
眼圧検査
眼底検査
6 眼位検査をしよう・・・稲垣理佐子
眼位検査
眼位検査をする前に
検査の工夫
最大斜視角の検出
7 両眼視機能検査をしよう・・・長谷岡宗
両眼視機能について
近見立体視検査
遠見立体視検査
網膜対応検査
プリズムで複視の有無を確認する
回旋偏位検査
8 眼鏡を処方しよう・・・佐藤美保
眼鏡処方の基準
調節麻痺薬
瞳孔間距離の測り方
フレームの選び方
眼鏡の仕上がりの確認
定期検査
療養費の支給対象について
9 弱視の診断をしよう・・・鈴木寛子
弱視について
弱視の分類
弱視と間違われやすい疾患
弱視の診断方法
弱視診断フローチャート
10 弱視の治療をしよう・・・古森美和
弱視治療のガイドライン
原因別治療の基本
11 斜視の用語と法則を知ろう・・・彦谷明子
斜視
眼球運動の法則
両眼視機能
網膜対応
12 斜視の治療方針をたてよう・・・土屋陽子
斜視とは
乳児内斜視
調節性内斜視
間欠性外斜視
先天上斜筋麻痺
Q&A 小児の眼科でよくある質問とその答え方・・・澤田麻友, 佐藤美保
付録
小児問診票/調節麻痺薬による屈折検査(サイプレジン)/調節麻痺薬による屈折検査(アトロピン)/調節麻痺薬による屈折検査(軟膏)/アイパッチ訓練/アイパッチ日記/輻湊(内寄せ)訓練/手術説明書/図による手術説明書/眼科手術後の注意点/浜松医科大学式 斜視手術セット
序
眼科診療において,小児眼科はどうしても避けて通れない部分です.そうはいっても,乳幼児の診察は,慣れていないと容易ではありません.時間もかかるし,特殊な検査装置も必要です.検査がうまくいくかどうかで,得られる情報もクリニックの評判も変わります.浜松医大では,小児眼科の専門外来を行っていますが,「どうしてこの病院だと子供が泣かないのでしょう?」とか「うちの子はここの眼科に来るのを楽しみにしている」などと言われることがしばしばあります.そう言っていただくためには,実はいくつかのポイントがあるのです.
大学病院で小児眼科に力を入れているところは決して多くはありません.そのため,浜松医大出身の医師は大学で小児眼科を専門にしていなくても,異動したときに「小児外来を担当してほしい」と依頼されることがあります.本人は自覚していなくても,浜松医大で働いていると,知らず知らずのうちに小児診察のコツを身につけているものです.小児眼科ではまれな先天疾患を診ることがあるため,マスターするには小児に特有な疾患を勉強することが必要です.しかし本当は,診断にいたるまでの検査を行うことのほうが大変なのです.そのような教科書には書かれていないちょっとしたコツやポイントを小児眼科グループと視能訓練士でまとめて,当院を離れる先生,見学に来られた先生,そして新入医局員にお渡ししてきました.
このたび,偶然その手作りの小冊子をご覧になった三輪書店の編集者から,書籍化のご提案をいただきました.小冊子作成からすでに5 年が経っていたこと,話し言葉が多く標準的用語ではないものがみられたため,現在のスタッフ一同でほぼ全面的に改訂して作成いたしました.“寝転んで読みながらでも1週間以内に読めること”を目標に作成しています.本書には,浜松医大小児眼科外来のエッセンスが詰め込まれています.小児眼科外来を始めるにあたって,高価な器具は必要ありません.本書に掲載されているもののなかには,スタッフの自作のものもありますし,お手持ちのものを工夫することで小児外来に使えるかもしれません.読んだらぜひ,実践してみてください.診療が楽しくなります.付録として,当院で用いている問診票やさまざまなリーフレットを掲載しております.三輪書店のホームページでダウンロードできますので,ぜひ皆様のクリニックでご活用ください.
最後に,本書の発行にむけて私たちを励ましてくださいました三輪書店の担当編集者さん,母体となる最初の小冊子を執筆してくれた順天堂大学の根岸貴志先生,視能訓練士の山﨑麻衣さん,畑中由美子さん,同僚である浜松医大眼科学教室の先生がた,いつも応援してくださっている堀田喜裕主任教授,そして私たちと一緒に成長した多くの子供さんたちに深謝いたします.
2016 年6 月
著者を代表して 佐藤美保
大学病院で小児眼科に力を入れているところは決して多くはありません.そのため,浜松医大出身の医師は大学で小児眼科を専門にしていなくても,異動したときに「小児外来を担当してほしい」と依頼されることがあります.本人は自覚していなくても,浜松医大で働いていると,知らず知らずのうちに小児診察のコツを身につけているものです.小児眼科ではまれな先天疾患を診ることがあるため,マスターするには小児に特有な疾患を勉強することが必要です.しかし本当は,診断にいたるまでの検査を行うことのほうが大変なのです.そのような教科書には書かれていないちょっとしたコツやポイントを小児眼科グループと視能訓練士でまとめて,当院を離れる先生,見学に来られた先生,そして新入医局員にお渡ししてきました.
このたび,偶然その手作りの小冊子をご覧になった三輪書店の編集者から,書籍化のご提案をいただきました.小冊子作成からすでに5 年が経っていたこと,話し言葉が多く標準的用語ではないものがみられたため,現在のスタッフ一同でほぼ全面的に改訂して作成いたしました.“寝転んで読みながらでも1週間以内に読めること”を目標に作成しています.本書には,浜松医大小児眼科外来のエッセンスが詰め込まれています.小児眼科外来を始めるにあたって,高価な器具は必要ありません.本書に掲載されているもののなかには,スタッフの自作のものもありますし,お手持ちのものを工夫することで小児外来に使えるかもしれません.読んだらぜひ,実践してみてください.診療が楽しくなります.付録として,当院で用いている問診票やさまざまなリーフレットを掲載しております.三輪書店のホームページでダウンロードできますので,ぜひ皆様のクリニックでご活用ください.
最後に,本書の発行にむけて私たちを励ましてくださいました三輪書店の担当編集者さん,母体となる最初の小冊子を執筆してくれた順天堂大学の根岸貴志先生,視能訓練士の山﨑麻衣さん,畑中由美子さん,同僚である浜松医大眼科学教室の先生がた,いつも応援してくださっている堀田喜裕主任教授,そして私たちと一緒に成長した多くの子供さんたちに深謝いたします.
2016 年6 月
著者を代表して 佐藤美保
書評
『さあ、手に取ってみて!! マスターしよう! ポイントマスターで!! 』
評者:梅田千賀子 (愛知淑徳大学健康医療科学部講師/眼科杉田病院視能訓練士)
学生のころから、そして今、仕事をするようになってからの何年間もたくさんの本を目にしています。私は本を手に取っては「自分が今、求めている内容はどこに載っているのだろうか?」と探しながら、いつも読んでいるような気がします。現在、私の書棚にはたくさんの本が鎮座していますが、それらのすべてが私の常の友として、活用されているかというとそうではなく、じつはよく読む本は決まっています。「内容が多過ぎる」「もう少しこの部分を詳しく解説してくれたらよいのに……」「勉強を始めたばかりの新人でも理解できるような、わかりやすい内容であればよいのに……」など、私は本に対して勝手なことばかりを求めていました。そんな中「これだ!」と思える一冊を見つけました。私が欲しかった内容が思い切り、ぎゅーっと詰まった一冊で、それが本書です。
検査の内容や手技に関しての本はたくさんありますが、本書では、小児に対してどのようにアプローチすると、嫌がらず、むしろ楽しんで検査を受けてもらえるかが示されています。また、検査のノウハウよりも、いかにスムーズに検査をして結果を出すか、そのための小児への関わり方、声掛けなど、気を付けるべきことがテーマごとに簡潔にポイントとしてまとめられています。しかも、新人眼科スタッフにもわかりやすいように、かわいい挿絵や写真で丁寧にやさしく解説されています。また、必要な数値データも示されているため、記憶力が乏しくなりつつある私にとって、本書はたいへん便利です。しかも「移動の際、かばんに入り切らないほどの重い本を持ち歩いた日々はどこに……」と思えるほど、本書はスリムで、どこにでも持ち運べるサイズです。にもかかわらず、盛りだくさんの内容がぎゅぎゅっと詰まっています。気軽にどこにでも持ち歩けるため、白衣のポケットにも滑り込ませられ、読みたいときにすぐに読めます。そのため「私の虎の巻にうってつけ」になりそうな一冊です。
小児眼科、弱視、斜視を学ぼうとしているあなた、「子どもは少し苦手」と小児の診察、検査、ケアに尻込みしているあなた、そして、私のように現場で役立つ本をいつも探しているあなた、本書は必読です。一読の価値があります!!
「眼科ケア」Vol.18 No.11(2016年11月号) (メディカ出版)より転載
評者:梅田千賀子 (愛知淑徳大学健康医療科学部講師/眼科杉田病院視能訓練士)
学生のころから、そして今、仕事をするようになってからの何年間もたくさんの本を目にしています。私は本を手に取っては「自分が今、求めている内容はどこに載っているのだろうか?」と探しながら、いつも読んでいるような気がします。現在、私の書棚にはたくさんの本が鎮座していますが、それらのすべてが私の常の友として、活用されているかというとそうではなく、じつはよく読む本は決まっています。「内容が多過ぎる」「もう少しこの部分を詳しく解説してくれたらよいのに……」「勉強を始めたばかりの新人でも理解できるような、わかりやすい内容であればよいのに……」など、私は本に対して勝手なことばかりを求めていました。そんな中「これだ!」と思える一冊を見つけました。私が欲しかった内容が思い切り、ぎゅーっと詰まった一冊で、それが本書です。
検査の内容や手技に関しての本はたくさんありますが、本書では、小児に対してどのようにアプローチすると、嫌がらず、むしろ楽しんで検査を受けてもらえるかが示されています。また、検査のノウハウよりも、いかにスムーズに検査をして結果を出すか、そのための小児への関わり方、声掛けなど、気を付けるべきことがテーマごとに簡潔にポイントとしてまとめられています。しかも、新人眼科スタッフにもわかりやすいように、かわいい挿絵や写真で丁寧にやさしく解説されています。また、必要な数値データも示されているため、記憶力が乏しくなりつつある私にとって、本書はたいへん便利です。しかも「移動の際、かばんに入り切らないほどの重い本を持ち歩いた日々はどこに……」と思えるほど、本書はスリムで、どこにでも持ち運べるサイズです。にもかかわらず、盛りだくさんの内容がぎゅぎゅっと詰まっています。気軽にどこにでも持ち歩けるため、白衣のポケットにも滑り込ませられ、読みたいときにすぐに読めます。そのため「私の虎の巻にうってつけ」になりそうな一冊です。
小児眼科、弱視、斜視を学ぼうとしているあなた、「子どもは少し苦手」と小児の診察、検査、ケアに尻込みしているあなた、そして、私のように現場で役立つ本をいつも探しているあなた、本書は必読です。一読の価値があります!!
「眼科ケア」Vol.18 No.11(2016年11月号) (メディカ出版)より転載
【編集】浜松医科大学眼科学教室